貝の口(読み)カイノクチ

デジタル大辞泉 「貝の口」の意味・読み・例文・類語

かい‐の‐くち〔かひ‐〕【貝の口】

男子角帯女子半幅帯の結び方。1回結んだ先の片方二つ折りにし、他方内側に折り返して再度結ぶ。
[類語]膨ら雀文庫結びやの字結びお太鼓結び

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精選版 日本国語大辞典 「貝の口」の意味・読み・例文・類語

かい【貝】 の 口(くち)

  1. 男の帯の結び方。角帯の一端を二つ折りにし、他の一端を内側に折り返して結ぶ。一二、三歳の少女も結ぶことがあったが、おもに商人の間で行なわれた。結んだ形が貝の合わさったのに似ているところからいう。
    1. 貝の口<b>①</b>〈守貞漫稿〉
      貝の口守貞漫稿
    2. [初出の実例]「花色繻子(しゅす)の帯、貝の口(クチ)に結び」(出典洒落本辰巳婦言(1798)発語)
  2. 着物の仕立て方の一つ。ふき袖口を表に出さないで貝状にくけ合わせたもの。
    1. [初出の実例]「曙染の裏を貝口(カイノくち)にくけあはし、帯に木綿の小倉嶋」(出典:浮世草子好色二代男(1684)五)

かい‐の‐くち【開口・貝かひ口・通かひ口】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 和船矢倉の左右側面に設ける出入口近世荷船では船体中央より艫(とも)寄りにあって、窓のような形状をしており、障子と戸で開閉される。軍船では総矢倉とするため、舳(おもて)寄りにも設ける場合が多く、両舷合わせて四か所とする。かよいのくち。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. ( 貝口 ) ⇒かい(貝)の口

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百科事典マイペディア 「貝の口」の意味・わかりやすい解説

貝の口【かいのくち】

帯の結び方の一種。片方の端を折り返し,もう一方と真結びに結ぶ。折り目が2枚重なって貝の口に似るのでこの名がある。男の角帯の結び方だが,女性でもふだん着や羽織下,浴衣(ゆかた)に結ぶことがある。
→関連項目角帯

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