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迂回生産 うかいせいさんroundabout method of production

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

迂回生産
うかいせいさん
roundabout method of production

土地や労働などの本源的生産要素のすべてを最終的な目的である消費財生産に直接使わず,その一部を生産財の生産にいわば迂回的に使用し,次にこの生産財を用いて消費財を結果的にはより能率的に増産させる生産方法。ドイツの経済学者 W.ロッシャーは,素手で1日3尾の魚をとる漁師がそのうち2尾を1日の食糧とすると,100日経過すれば 100尾のストックができ,それによって 50日間自己の全労働を網と小舟造りに費やすことができ,これらの道具を使用することによって1日 30尾の魚がとれるようになるという寓話でその原理を説明した。オーストリアの経済学者 E.ベーム=バウェルクは,迂回生産によって可能となる収穫の増加分または改善を「迂回生産の剰余収益性」と呼び,資本の物的生産性の本質と考えた。 (→時差説 )

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デジタル大辞泉の解説

うかい‐せいさん〔ウクワイ‐〕【×迂回生産】

まず道具・機械などの生産手段を生産してから、それを使用して消費財を生産する方法。

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百科事典マイペディアの解説

迂回生産【うかいせいさん】

本源的生産要素(労働力,土地)をすべて生活資料の生産に用いず,一部を中間的な生産手段の生産に使用し,次にこの生産財を用いて最終的な消費財の生産の増加を図る方法。
→関連項目工業資本

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世界大百科事典 第2版の解説

うかいせいさん【迂回生産 roundabout production】

多くの産業において生産を行う場合,最終消費財をすぐさま直接得るのではなく,多量の資本を投下して,かなりの生産時間をかけて回り道をしながら生産をしていくのが一般的である。この方法を迂回生産と呼び,経済学における資本理論にとって一つの重要な鍵概念となる。W.ロッシャーは有名な漁師の例を用いて,この迂回生産の本質を説明している。漁師が素手では毎日3匹しか魚をつかまえられなかったが(資本なしの生産),舟や網などの資本財を用いると毎日30匹も捕獲できるようになった。

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大辞林 第三版の解説

うかいせいさん【迂回生産】

機械・設備などの生産手段をまず生産し、それを使用して完成消費財を生産する方法。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

迂回生産
うかいせいさん
round-about production

手で魚をとるよりも、網や漁船をまずつくってから魚をとるほうがはるかに収穫があがる。このように、初めから消費財を生産せず、それをつくるための道具、機械、工場設備などの生産手段をつくる迂回をしてから消費財を生産したほうが、一見よけいな手間と時間を費やすようにみえても、結局生産物が多く得られる。このような生産方法を迂回生産という。
 迂回生産による生産物の増分すなわち迂回生産の利益は、利子の存在理由の一つを説明する。いま生産手段(資本)がなくて労働だけで100の生産物を得ていたとする。そこから20を貯蓄(蓄積)して資本を得ると、10の生産物増加になるとすれば、10が迂回生産の利益であり、利子の源泉がそこにみいだせる。かくて、資本の利潤率と利子率とが等しいとき、迂回生産の度合いが決まる。これがベーム・バベルクやハイエクのオーストリア学派による生産構造論であったが、最近、ケインズの貨幣的利子論に対するマネタリズムの批判のなかで、見直されつつある。[一杉哲也]

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世界大百科事典内の迂回生産の言及

【生産】より


[生産の技術過程]
 生命を維持し再生産していくために,また社会生活を営んでいくために人間は生産活動を行わなければならないが,当然のこととしてこの生産は自然に働きかけて資源を採取しそれを変形する技術過程としての側面をもっている。生産力の発展は技術過程の改良に負うところが大きく,なかでも科学・技術の生産への応用といわゆる迂回生産の進展は物的生産力を飛躍的に高めた。科学・技術の発展が生産力の向上に寄与することは自明であるが,歴史上とりわけ重要なのは18世紀の蒸気機関の発明とそれに続く一連の動力革命である。…

※「迂回生産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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