透き(読み)スキ

デジタル大辞泉 「透き」の意味・読み・例文・類語

すき【透き/隙】

物と物との間。間隙かんげき。すきま。「戸に―がある」「割り込む―もない」
引き続いている物事絶え間合間。ひま。「仕事の―をみつける」「手―のとき」
気のゆるみ。油断。また、つけいる機会。「相手の―につけこむ」「―をねらう」「―を見せる」
[類語](1)(2すきま空隙あいだあわいはざま合間あいまひま間隙かんげき/(3油断見過ごす見逃す見損なう見失う見落とす見損ずる見忘れる気を抜く不覚不注意不用意目を離す目を逸らす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「透き」の意味・読み・例文・類語

すき【透・隙】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「すく(透)」の連用形の名詞化 )
  2. 物と物との間のあいているところ。物のすきま。はなれめ。
    1. [初出の実例]「ひとすぢをみちのくにがみにをきたるに、いかにもすきみえずとぞ、申つたへためる」(出典:大鏡(12C前)二)
    2. 「細目にあけし窓のすきより」(出典:珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉ぴあの)
  3. 時間のすきま。ひま。いとま。また、仕事のあいま。てすき。
    1. [初出の実例]「柿梨、餠(もちひ)なんどをくれたらば、すきもなく食ふべし」(出典御伽草子・物くさ太郎(室町末))
    2. 「針仕事の透(スキ)には、〈略〉伊勢物語薄雪の草子などを中音によみゐて」(出典:浮世草子世間娘容気(1717)四)
  4. 気のゆるみ。ゆだん。つけこむ機会。すきま。
    1. [初出の実例]「息はづめば馬の弱るに透(スキ)をあらせで、押し並べ押し並べて」(出典:源平盛衰記(14C前)三五)
    2. 「必ず反動者の群がゐて隙を窺ってゐる」(出典:沈黙の塔(1910)〈森鴎外〉)

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