デジタル大辞泉
「還元炎」の意味・読み・例文・類語
かんげん‐えん〔クワンゲン‐〕【還元炎/還元×焔】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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かんげん‐えんクヮンゲン‥【還元炎・還元焔】
- 〘 名詞 〙 ほのおの青色の内炎と淡赤色の外炎(酸化炎)との中間の層で、色のとくに明るい部分。炭素粒子、中間化合物などが含まれ、還元性をもつのでこのようにいう。酸化炎にくらべ温度が低く、輻射能(ふくしゃのう)が大きい。〔稿本化学語彙(1900)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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還元炎
カンゲンエン
reducing flame
還元性のある炎,あるいは一つの炎の内部の還元性の部分をいう.空気を予混した通常のガスバーナーには,強い青色の光を放つ円すいで囲まれた内炎と,その外側の大きい外炎とがある.内炎の内部は未燃焼ガス,N2,CO,炭素などを含み,還元性であり還元炎とよばれる.一方,外炎は高温の水蒸気,CO2,酸素を含み酸化性であり,酸化炎とよばれる.還元炎と酸化炎は,乾式分析法である溶球反応でそれぞれ使い分けられる.工業用加熱炉では,空気過剰の場合は酸化炎となり,燃料過剰の場合は還元炎となる.加熱だけを目的とする場合は酸化炎のほうが熱効率が高く有利であるが,炉内雰囲気を還元性に保つためには還元炎も用いられる.[別用語参照]火炎
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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還元炎
かんげんえん
reducing flame
気化した燃料は炎をあげて燃え、空気(酸素)の供給が適当であれば、炎は境界層を境として、外炎と内炎に分かれた構造をもつ。内炎には、燃料の熱分解で生じた水素原子、炭素原子、一酸化炭素などの、還元された物質を含むので、内炎を還元炎という。一方、外炎では、燃焼が進行して内炎より高温度となり、水蒸気、二酸化炭素などの酸化された物質を含むので酸化炎という。還元炎中では、白金のように安定な金属が炭素と反応して炭化物となるので、白金器具を還元炎中で熱してはならない。ホウ砂球反応のような熱化学呈色反応では、還元炎中と酸化炎中の呈色が異なることが多い。
[岩本振武]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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還元炎【かんげんえん】
炎の中で空気の補充が不十分なため不完全燃焼している部分。通常のバーナーでは内炎。温度が低く還元性がある。
→関連項目酸化炎
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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還元炎
かんげんえん
reducing flame
窯焚きのとき,空気の流入を制限して不完全燃焼をさせた際に生じる炭素を含んだ炎。これによって釉に含まれる酸化金属を還元させ,金属本来の色彩に発色させる。青磁は鉄釉の還元により,また辰砂 (しんしゃ) は銅釉の還元によって生じた色である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の還元炎の言及
【土器】より
…焼成の最終段階に意図的にくすぶらせたり(中国の新石器時代竜山文化の[黒陶]),焼成直後の土器を籾殻の山に埋めたり板の上に伏せたりすると,炭素やタールの粒子が小さな孔を満たし,黒く緻密な土器に仕上がる。 焼成の初段階に酸素を十分に供給し,途中でこれを断つと,一酸化炭素の多い炎(還元炎)となり,製品は灰色に仕上がる。焼成温度が600~800℃程度の土器は軟質で,たたいても低い音しか発しないが,1000℃を超える高温で焼き上げると硬質に仕上がり,たたくと高い音を発する。…
※「還元炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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