酸化カルシウム(読み)サンカカルシウム(英語表記)calcium oxide

デジタル大辞泉 「酸化カルシウム」の意味・読み・例文・類語

さんか‐カルシウム〔サンクワ‐〕【酸化カルシウム】

カルシウム酸化物石灰石を焼いて作る。水を注ぐと多量の熱を発生して水酸化カルシウム消石灰)となる。漆喰しっくいモルタルに使用。また消石灰カーバイドなどの製造原料化学式CaO 生石灰せいせっかい。石灰。

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精選版 日本国語大辞典 「酸化カルシウム」の意味・読み・例文・類語

さんか‐カルシウムサンクヮ‥【酸化カルシウム】

  1. 〘 名詞 〙 ( カルシウムは[英語] calcium ) カルシウムの酸化物。石灰石や炭酸カルシウムを熱分解させてつくる。化学式 CaO 等軸晶系の白色固体または粉末漆喰(しっくい)、モルタル、カーバイド、石膏、水酸化カルシウムなどの原料、工業用アルカリ原料として広く用いられる。石灰。

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改訂新版 世界大百科事典 「酸化カルシウム」の意味・わかりやすい解説

酸化カルシウム (さんかカルシウム)
calcium oxide

化学式CaO。生石灰quick limeともいう。水酸化カルシウム,硝酸カルシウムシュウ酸カルシウムなどを強熱して得られ,工業的には石灰石(炭酸カルシウム)を900~1000℃に熱して製造される。白色の結晶性粉末で,Ca2⁺とO2⁻とがNaCl型の格子を作っているイオン性化合物である。融点(2572℃),沸点(2850℃)がきわめて高く,比重3.37。水と反応すると強く発熱し,水酸化カルシウムCa(OH2(消石灰)に変化する。

 CaO+H2O─→Ca(OH)2+15.2kcal

二酸化炭素とも容易に反応して,炭酸カルシウムCaCO3になる。これらの性質,反応を利用して,実験室ではアンモニアやアルコールの乾燥剤とし,また工業的には,消石灰(およびそれから製造される〈しっくい〉,モルタルなどの建築材料),カーバイド,ガラス,土壌改良剤などの原料として,また炉,るつぼの内張り用耐熱材として大量に用いられる。
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百科事典マイペディア 「酸化カルシウム」の意味・わかりやすい解説

酸化カルシウム【さんかカルシウム】

化学式はCaO。融点2572℃,沸点2850℃。生石灰とも。無色の粉末。空気中では水分炭酸ガスを吸収して炭酸カルシウムとなる。また水と作用すると高熱を発して水酸化カルシウム(消石灰)となる。工業的には石灰石を高温加熱分解してつくる。消石灰の製造原料とするほか,モルタル,漆喰(しっくい),実験室での脱水剤,乾燥剤として用いられる。
→関連項目石灰石灰肥料耐火物

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化学辞典 第2版 「酸化カルシウム」の解説

酸化カルシウム
サンカカルシウム
calcium oxide

CaO(56.08).生石灰ともいう.石灰石やカルシウムの炭酸塩,水酸化物,硝酸塩を強熱して得られる.白色の粉末.融点2572 ℃,沸点2850 ℃.密度3.37 g cm-3.水とは高熱を発して反応して水酸化カルシウムを生じる.二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムとなる.乾燥剤,脱水剤,土壌中和剤としてそのまま用いられるほか,炉剤,しっくい,モルタル,消石灰,さらし粉,セッコウ,カーバイト,カルシウム塩などの原材料や石灰擦剤として医療用に用いられる.[CAS 1305-78-8]

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栄養・生化学辞典 「酸化カルシウム」の解説

酸化カルシウム

 CaO (mw56.08).生石灰ともいう.水と反応すると水酸化カルシウム(Ca(OH)2)となり,アルカリ性を示す.土壌の酸の中和その他,工業用など広い用途がある.

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