日本歴史地名大系 「金剛三昧院」の解説
金剛三昧院
こんごうさんまいいん
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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高野山金剛峯寺の子院の一つ。北条政子が源家三代の菩提を弔うために,安達景盛(大蓮房覚智)を奉行として創建。当初は禅定院と称したという。ついで源実朝の近習葛山景倫(願性)が雑掌となって奔走し,1223年(貞応2)ごろ堂舎が完成,臨済僧栄西を導師として落慶供養を行い,その弟子退耕行勇を開山とした。禅宗と密教の兼学を旨とし,代々の長老は山外から任ぜられた。鎌倉時代後期以降,幕府の保護および安達氏,足利氏などの有力な武家の帰依によって,山内諸子院を事実上統轄する有力な寺院に発展した。寺領も,河内国讃良荘,筑前国粥田荘,美作国大原保,紀伊国由良荘,和泉国横山荘などきわめて多い。他の子院とはやや離れた小田原谷の最南部の山腹に位置するため,山内の火災の類焼からまぬがれ,創建当時の多宝塔(国宝)や経蔵(重文)など山内で数少ない鎌倉時代の建築遺構が現存する。
執筆者:小山 靖憲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…用紙は厚手の鳥の子紙を用い,表裏に印刷し,装丁はおおむね粘葉(でつちよう)形を採用した。開版者としてとくに知られる秋田城介(あきたのじようのすけ)(安達泰盛,1231‐85)は,鎌倉執権北条氏の姻戚として勢力をもち,祖父景盛以来の縁故で高野山にはいり,その金剛三昧院(こんごうさんまいいん)は10万余石の扶持を封禄し,武家の愛護のもとに偉大な勢力をもって,開版事業にも力をつくした。現存するものでは1253年(建長5)刊《三教指帰(さんごうしいき)》が最も古い。…
※「金剛三昧院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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