日本歴史地名大系 「金峯神社」の解説
金峯神社
きんぶじんじや
吉野
金峯神社
きんぷじんじや
金峯神社
みたけじんじや
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
吉野
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
奈良県吉野郡吉野町金峰山に鎮座。旧郷社。金山毘古命をまつる。かつて祭神は金山彦命,大山祇神,大己貴命,少彦名命,安閑天皇とされたが,鎌倉時代は金精(こんせい)大明神とも金山明神ともいわれ,黄金保護の神と考えられた。853年(仁寿3)名神となり,854年(斉衡1)月次・相嘗・神今食祭に奉幣にあずかる神とされた。859年(貞観1)正三位を授けられ,同年藤原山蔭,滋岳川人等が宣旨を受けて虫害を払う祭りを修めている。《延喜式》神名帳では名神大社に列し,1337年(延元2・建武4)正二位を授けられた。金峰山(きんぷせん)は諸国の修験の名山に蔵王権現をもたらした本山的存在で,同名の神社は各地にある。例祭10月15日。
執筆者:加藤 隆久
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
山形県鶴岡(つるおか)市青竜寺の金峰山(きんぽうざん)に鎮座。大国主命(おおくにぬしのみこと)、少彦名(すくなひこな)命、安閑(あんかん)天皇、事代主(ことしろぬし)命を祀(まつ)る。天智(てんじ)天皇の代、役小角(えんのおづぬ)が開基し、承暦(じょうりゃく)年中(1077~81)丹波守(たんばのかみ)盛宗(もりむね)が、奈良県吉野の金峰山(きんぶせん)を勧請(かんじょう)したと伝える。金峯蔵王権現(きんぼうざおうごんげん)と称し、修験(しゅげん)の霊場として、また庄内(しょうない)藩の祈願所として栄えた。一時、御嶽(みたけ)神社と称したが、1870年(明治3)現社号に改めた。旧県社。例祭6月15日。銅鉢(国指定重要文化財)、如意輪観音坐像(にょいりんかんのんざぞう)(県指定文化財)などを伝える。
[高橋美由紀]
奈良県吉野郡吉野町吉野山の最奥に鎮座する神社。祭神は金山毘古神(かなやまびこのかみ)。金精明神(こんせいみょうじん)、金山明神とも称する。吉野山の地主神、黄金守護神ともいわれる古社で、創祀(そうし)は不詳。この山は全山黄金といわれて大仏鋳造の際に金鉱を求めたと伝えられ、また古くは金峯山(きんぶせん)修験(しゅげん)の道場であり、多くの堂坊の跡がいまに残されている。『延喜式(えんぎしき)』の名神(みょうじん)大社で、月次(つきなみ)、相嘗(あいなめ)、新嘗(にいなめ)の祭りにあずかる。旧郷社。例祭は10月17日。社宝に金銅藤原道長経筒(国宝)、鉄鐔卒塔婆透シ(てったんそとばすかし)(国の重要文化財)のほか、経塚出土品として一括国重要文化財指定の鍍金(ときん)経箱がある。
[菟田俊彦]
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