釜石[市](読み)かまいし

百科事典マイペディア 「釜石[市]」の意味・わかりやすい解説

釜石[市]【かまいし】

岩手県東部の市。1937年市制。三陸海岸釜石湾に臨み市街が発達,釜石線が通じる。市街西方に鉄鉱床があり,1829年採掘開始,維新後明治政府が鉱山を官営として製鉄所を設置,1887年ごろから製錬を行ったのが釜石製鉄所の起りである。1934年以後日本製鉄が経営,1950年以降富士製鉄,1970年以降新日本製鐵に所属。1963年以降,製鉄所の相次ぐ合理化により人口は激減した。1993年3月日本唯一の鉄鉱石鉱山だった釜石鉱山は,終掘となった。三陸沖漁場とリアス式海岸に恵まれて三陸沿岸漁業の中心基地となり,製氷,缶詰工業も盛ん。三貫島が浮かび,海岸は三陸復興国立公園に属する。日本で現存する最古の洋式高炉跡である橋野高炉跡史跡),鉄の歴史館,南西サル,シカ,カモシカの生息する1351mの五葉山(天然記念物)がある。東日本大震災で,市内において被害が発生。440.34km2。3万9574人(2010)。
→関連項目企業城下町

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