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鍛冶部 かぬちべ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鍛冶部
かぬちべ

大化前代,刀剣そのほかの鍛造に従事した品部 (ともべ) 。朝鮮の進歩した技術を身につけたものから成る韓 (から) 鍛冶部と,日本在来の技術による倭 (やまと) 鍛冶部があった。大化以後は宮内省鍛冶司 (つかさ) によって,その技術の一部が引継がれた。

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世界大百科事典 第2版の解説

かぬちべ【鍛冶部】

大和朝廷の職業部民の一つ。銅鉄製品の鋳造・鍛造に従事した。大化改新以降もその一部は解放されず,雑戸(ざつこ)の鍛戸に編成され,造兵司,鍛冶司,典鋳司等に配属された。
韓鍛冶部
 《古事記》応神段に百済より韓鍛の卓素が貢上されたとあり,百済系技術者を組織したもので,彼らは各地に居住し伴造(とものみやつこ)の韓鍛冶首(おびと)に率いられて宮廷工房に上番した。8世紀の文献によると,韓鍛冶(辛鍛冶,辛鍛部,辛金部,韓鉄師部,韓鍛)の名を有するものが近江,丹波,播磨,紀伊,讃岐と広く散在している。

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大辞林 第三版の解説

かぬちべ【鍛冶部】

大化前代、豪族に隷属し鉄製武具などの製作にあたった部民。先進技術をもった渡来人系の韓鍛冶部からかぬちべと在来技術による倭鍛冶部やまとかぬちべとがあった。大化の改新後、鍛冶司かぬちのつかさに率いられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鍛冶部
かぬちべ

鍛部、鉄作部、金作部などとも。「かねうちべ」の約。本来の倭鍛冶部(やまとのかぬちべ)と渡来系の韓鍛冶部(からのかぬちべ)とがあった。早くから大和(やまと)朝廷に属して銅鉄雑器をつくったが、大化(たいか)(645~650)以後は宮内省鍛冶司(かぬちし)に所属して鍛戸(かぬちべ)とされ、808年(大同3)鍛冶司が木工寮(もくりょう)に併合されるとともに所属変更となる。8世紀初頭では338戸。10世紀初頭では平安京、畿内(きない)、近国(伊賀、伊勢(いせ)、近江(おうみ)、播磨(はりま)、紀伊)で合計372戸であった。[黛 弘道]

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世界大百科事典内の鍛冶部の言及

【部民】より

… まず伴として,畿内の中小豪族を任ずる殿部(とのもり)(天皇の乗輿,宮殿の調度,灯火をつかさどる),水部(もいとり)(供御の清水や氷をつかさどる),掃部(かにもり)(殿内の掃除をつかさどる),門部(かどもり∥かどべ)(宮殿の諸門の守衛をつかさどる),蔵部(くらひと)(内蔵,大蔵の出納をつかさどる),物部(もののべ)・佐伯部(さえきべ)(軍事・警察,刑罰をつかさどる)などがあった。部として,畿内やその周辺に居住する帰化氏族,その他を任ずる錦織部(にしこり∥にしごりべ)(絹織物の生産に従う),衣縫部(きぬぬい∥きぬぬいべ)(衣服の縫製に従う),鍛冶部(かぬち∥かぬちべ)(鉄と兵器の生産に従う),陶作部(すえつくり∥すえつくりべ)(陶器の製作に従う),鞍作部(くらつくり∥くらつくりべ)(馬具の製作に従う),馬飼部(うまかい∥うまかいべ)(馬の飼育に従う)などがあった。このように下部組織を形成する伴や部を〈トモ〉ともいい〈ベ〉ともいうのは,百済の官司の諸部の制度を輸入して朝廷の政治組織を革新したとき,朝廷の記録をつかさどっていた百済の帰化人=史部(ふひと∥ふひとべ)が,本国の習慣に従い,漢語の〈部〉とその字音の〈ベ〉を,日本の〈伴〉の制度に適用したために生じたとみるのが正しいであろう。…

※「鍛冶部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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