(読み)タン

デジタル大辞泉 「鍛」の意味・読み・例文・類語

たん【鍛】[漢字項目]

常用漢字] [音]タン(呉)(漢) [訓]きたえる
金属を打ちたたいて上質のものにする。「鍛工鍛造鍛鉄
心身などをきたえて強くする。「鍛練
[名のり]かじ
難読鍛冶かじ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鍛」の意味・読み・例文・類語

きたえきたへ【鍛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「きたえる(鍛)」の連用形名詞化 )
  2. 特に日本刀鍛錬法。鉄を化学反応を起こさせて良質にすることで、玉鋼(たまはがね)を熱し、打ち、折りまげなどをくり返すこと。大別して古代に用いられた丸鍛えと合わせ鍛えの二法がある。鍛刀法。
    1. [初出の実例]「古い鎌だが、鍛(キテエ)が宜(い)いと見えて」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉九二)
  3. くり返し修練して技術を身につけたり、身心を強くしたりすること。
    1. [初出の実例]「昔の人は身体(からだ)の鍛へが好(いい)と云ふんだ」(出典:落語・金の味(1892)〈三代目三遊亭円遊〉)

かたし【鍛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かたす(鍛)」の連用形の名詞化 )
  2. きたえること。
  3. 鍛冶職業とする人。鍛冶屋。
    1. [初出の実例]「鎔師(カタシ)の義にて、鋳物師(いものし)の事をいふ。三代実録十八に、加太之とあるは、銭を鋳ことなり」(出典:雅言考(1849頃)かたし)

きたいきたひ【鍛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「きたう(鍛)」の連用形の名詞化 ) =きたえ(鍛)
    1. [初出の実例]「何様(どう)しても昔者の鍛(キタ)ひが善く」(出典:人情本・風俗粋好伝(1825)前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鍛」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

[字音] タン
[字訓] きたえる・たたく

[説文解字]

[字形] 形声
声符は段(だん)。段は鍛の初文。〔説文〕十四上に「小冶なり」とあり、鍛冶のことをいう。〔周礼、考工記、段氏〕は鍛練して器(はくき)を作ることを掌る。鎔鋳とちがって、薄片をうって器を作る。段はその薄片をうつ形である。

[訓義]
1. きたえる、うちきたえる。
2. たたく、きねでうつ、うちやぶる。
3. ほじし、ほした肉。
4. といし。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕鍛 奈夜須(なやす) 〔名義抄〕鍛 ウツ・キタフ・トロモス・カタメ・ネヤス・ナヤス/鍛冶 カヂ

[語系]
鍛tuan、段・斷(断)duanは声近く、鍛とは小薄片に切断したものをうちきたえることをいう。

[熟語]
鍛金・鍛工鍛甲・鍛矢・鍛者・鍛脩・鍛石・鍛錫・鍛竈・鍛鉄・鍛刀・鍛磨・鍛冶・鍛錬・鍛練
[下接語]
堅鍛・好鍛・善鍛・鋳鍛・椎鍛・百鍛・冶鍛・夜鍛・薬鍛・利鍛

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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