鎌倉五山(読み)かまくらごさん

精選版 日本国語大辞典 「鎌倉五山」の意味・読み・例文・類語

かまくら‐ごさん【鎌倉五山】

神奈川県鎌倉市にある臨済宗の五大寺の総称建長寺円覚寺寿福寺浄智寺浄妙寺をいう。関東五山
蔭凉軒日録‐永享一一年(1439)一二月晦日「鎌倉五山各使後堂首座献堵物、以致礼謝。建長円覚則五千疋、浄智浄妙寿福則三千疋也」

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デジタル大辞泉 「鎌倉五山」の意味・読み・例文・類語

かまくら‐ごさん【鎌倉五山】

鎌倉にある臨済宗の五大寺。建長寺円覚寺寿福寺浄智寺浄妙寺室町時代足利義満のときに五山の制により定められた。関東五山。

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改訂新版 世界大百科事典 「鎌倉五山」の意味・わかりやすい解説

鎌倉五山 (かまくらござん)

鎌倉にある臨済宗の五大禅刹,すなわち建長寺円覚寺,寿福寺,浄智寺,浄妙寺をいい,京都五山に対する。中国南宋代の五山官寺制度が,日本に移植されたのは鎌倉時代末期のことで,1299年(正安1)執権北条貞時が浄智寺を五山に列したのが史料上の初見である。ついで1310年(延慶3)建長寺,円覚寺,寿福寺が五山に列位された。このように,鎌倉時代の五山はいずれも鎌倉の大禅院であったが,建武中興後,1333年(元弘3)後醍醐天皇の特別な帰依によって,宗峰妙超の大徳寺が五山に列せられ,翌年大覚寺統と深い関係にあった南禅寺が五山第1に列せられるなど,京都にも五山が設置された。41年(興国2・暦応4)には五山第1建長・南禅,第2円覚・天竜,第3寿福,第4建仁,第5東福,準五山浄智と定められ,その後再編があったが,86年(元中3・至徳3)将軍足利義満によって,南禅寺を五山の上とする鎌倉五山,京都五山の序列が最終的に確定された。
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百科事典マイペディア 「鎌倉五山」の意味・わかりやすい解説

鎌倉五山【かまくらござん】

鎌倉にある臨済宗の五大寺。南宋の寧宗が制定したのにならい,室町幕府の保護のもと建長寺円覚寺,寿福寺,浄智寺,浄妙寺の5寺を定めた。→京都五山
→関連項目鎌倉[市]五山寿福寺浄智寺浄妙寺

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鎌倉五山」の意味・わかりやすい解説

鎌倉五山
かまくらござん

京都五山に対し、鎌倉にある五つの大禅刹(ぜんさつ)をいう。中国宋(そう)の官寺制に倣って定められた制度で、その位次は、(1)巨福山(こふくざん)建長寺(けんちょうじ)、(2)瑞鹿山(ずいろくさん)円覚寺(えんがくじ)、(3)亀谷山(きこくさん)寿福寺(じゅふくじ)、(4)金宝山(こんぽうさん)浄智寺(じょうちじ)、(5)稲荷山(いなりさん)浄妙寺(じょうみょうじ)である。

[石川力山]

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事典・日本の観光資源 「鎌倉五山」の解説

鎌倉五山

鎌倉にある臨済宗五大官寺。中国の制度にならって鎌倉時代末期に設けられ、室町幕府が制度化した。
[観光資源] 円覚寺 | 建長寺 | 寿福寺 | 浄智寺 | 浄妙寺

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旺文社日本史事典 三訂版 「鎌倉五山」の解説

鎌倉五山
かまくらござん

鎌倉にある建長・円覚・寿福・浄智・浄妙の5禅寺
五山制度は南宋の寺格制度を移入したもので,禅宗寺院最高の寺格。鎌倉末期に北条氏により鎌倉中心の五山制度が制定されたらしいが寺名は不明。建武の新政で京都中心の五山ができたが,京都・鎌倉を混合し,序列もしばしば変動して,1386年に至り,将軍足利義満のとき,上記のように鎌倉五山の序列が確立した。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「鎌倉五山」の解説

鎌倉五山
かまくらござん

五山制度のもと鎌倉で最も格式が高いとされた五つの禅寺。建長寺を筆頭に,円覚寺・寿福寺・浄智寺・浄妙寺をいう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鎌倉五山」の意味・わかりやすい解説

鎌倉五山
かまくらござん

五山」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の鎌倉五山の言及

【建長寺】より

…鎌倉市山ノ内にある臨済宗建長寺派の大本山。鎌倉五山第1位。山号は巨福(こふく)山,本尊は地蔵菩薩。…

【五山・十刹・諸山】より

… 諸山は寺数制限や寺格の序列がなく,1321年(元亨1)北条高時が相模崇寿寺を諸山に列したのが初見で,以後その寺数は漸増し,中世末期には大和,和泉,志摩,飛驒,佐渡,隠岐,豊前の諸地を除いて全国61ヵ国に諸山の所在が確認され,その数は230ヵ寺にも達している。鎌倉五山京都五山五山文学【竹貫 元勝】。…

※「鎌倉五山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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