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院庁 いんのちょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

院庁
いんのちょう

上皇の政務を司る場所。永観2 (984) 年円融上皇によって設置されたのが最初である。初めは王臣家の家政機関である政所と同じであったが,院政が始るとその執行機関となり,院政の進展に従って院も拡大強化された。その職員である院司には別当,年預 (ねんよ) ,判官代 (はんがんだい) ,主典代 (しゅてんだい) などがおり,政務を司り,院政の実権を掌握していた。院庁は院司が院の命令を奉じて出す院宣と,太政官官宣旨の形式による院庁下文 (くだしぶみ) を発給して政治的機能を果した。女院にも院庁がおかれたが,政治的機能はなかった。

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デジタル大辞泉の解説

いん‐ちょう〔ヰンチヤウ〕【院庁】

院の庁

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百科事典マイペディアの解説

院庁【いんのちょう】

院司(上皇法皇・女院(にょいん)・後院(ごいん)などに仕えて院中の諸事をつかさどる職員)の役所をいうが,狭義には院政をとる上皇の政務機関のこと。
→関連項目院宣西面の武士別当

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世界大百科事典 第2版の解説

いんのちょう【院庁】

上皇に付属する家政機関。別当以下の院司(いんし)がその職員で,院庁下文(くだしぶみ),院庁牒などがその発給文書である。宇多上皇の院中にみえる〈院庁雑色〉がその初見で,円融上皇のとき院庁始が行われたことも記録に見える。院政が開始されるや,執政の上皇の院司は強大化し,後白河院政以降は,院庁が国政運営の一端を担った例もあるが,それでも院政の中心機関となることはなかった。ことに文献上の用例では〈院庁〉の語は限定した意味に用いられることが多く,院司機構のなかで,別納所などの分課的な機関に対し,別当―判官代―主典代の系列のもとで,院中の雑務を執行する下級庶務機関を指した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

院庁
いんのちょう

上皇や女院に付属して院中の諸務を処理する役所。とくに主典代(しゅてんだい)(庁年預(ちょうのねんよ))の管する下級庶務機関に限定した用例も多い。宇多(うだ)上皇の院中に「院庁雑色(ぞうしき)」がみえるのは、その存在を示す早い例である。譲位後または女院号宣下(せんげ)後の吉日を選んで院庁始(はじめ)すなわち開庁式を行う。院政開始以後、政務をとる上皇の院庁はとくに拡充され、しだいに国政にも関与し、その発行する院庁下文(くだしぶみ)、院の牒(ちょう)の権威も高まった。[橋本義彦]

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