雅俗(読み)ガゾク

  • 雅俗 yǎ sú

世界大百科事典 第2版の解説

〉と〈〉とは相対立する概念。日本でもひろく用いられるが,中国では時代による意味の変化がみられる。許慎の《説文解字(せつもんかいじ)》には〈俗とは習なり〉とあって,〈俗〉を風俗習慣のこととし,また同音でことばの意味を説明する劉熙(りゆうき)の《釈名(しやくみよう)》では〈俗とは欲なり,人の欲する所なり〉と,おなじく〈谷〉を音符とする欲,すなわち人間の欲望のこととしている。〈俗人〉〈俗物〉〈俗士〉などはつまらない人間を,〈俗儒〉はつまらない学者を,〈俗語〉は定格の文章語ではない日常的言語を意味するように,〈俗〉の語が軽蔑の感情をともなって用いられるのは,風俗習慣は常識に安住し因襲にしばられたもの,また人間の欲望はいとうべきものと考えられたからにほかならない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 雅と俗。風雅なことと卑俗なこと。みやびやかなことと、ひなびたこと。正統なものと格にはずれたもの。
※艸山集(1674)一四・春夜不寝、戯和袁中郎漸漸詩「太末不燄、雅俗自参差」 〔新唐書‐礼楽志・一二〕
② 上品なことばと日常用いている普通のことば。雅語と俗語。また、文語体と口語体。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「雅俗(ガゾク)の異同は傍訓(つけかな)に従ひて会得あるべし」

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