出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
京都市左京区鞍馬寺の鎮守社由岐(ゆき)神社の祭礼であり、毎年10月22日の夜に行われる。鞍馬寺の参道の中央数か所にマツ・モミの根を束ねた大松明(たいまつ)を立て、各戸の前に大篝火(かがりび)を焚(た)き、青少年が向こう鉢巻の晴れ姿で、柴(しば)を束ねた1.5メートルほどの松明に火を点じたものを担いで集まり、サイレヤ・サイリョウの囃子詞(はやしことば)を繰り返し、参道を上り下りして気勢をあげる。深夜12時に山門石壇の第一の大注連(しめ)に点火し、鞍馬大夫が大注連の中央を太刀で切断する式があり、その後、由岐神社の神輿(みこし)を拝殿から担ぎ降ろし、御旅所(おたびしょ)へ神幸がある。ここで神楽(かぐら)を奏するとともに、割り竹20本ほどを末広に挿したものに点火し、神輿担ぎが担いで庭上を七度半回り、夜明けまで繰り返す。実に豪快な火祭である。
[萩原龍夫]
…有名な〈竹伐り祭〉は,6月20日に本堂の前で,大蛇に見立てた青竹4本を東西2手の山法師が山刀で切り競い,その年の豊凶を占う祭りである。また10月22日の夜中に行われる〈鞍馬の火祭〉は,鎮守の由岐(ゆき)神社の例祭で,当寺の門前の人びとが炬火(たいまつ)をもって〈祭礼祭礼(さいれいさいりよう)〉と叫びながら練り歩き,鞍馬の山は火の海のように見え,広隆寺の牛祭,今宮神社の〈やすらい祭〉とともに京都三奇祭とされる。【藤井 学】。…
※「鞍馬の火祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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