音羽山(読み)オトワヤマ

デジタル大辞泉 「音羽山」の意味・読み・例文・類語

おとわ‐やま〔おとは‐〕【音羽山】


京都東山三十六峰の一。標高240メートル。中腹清水寺があり、その奥に音羽の滝がある。
京都市山科区と滋賀県大津市との境の山。北は逢坂おうさかに連なる。標高593メートル。[歌枕
「―今朝こえくればほととぎすこずゑはるかに今ぞなくなる」〈古今・夏〉
[枕]「おと」にかかる。
「―音にききつつ」〈古今・恋一〉

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精選版 日本国語大辞典 「音羽山」の意味・読み・例文・類語

おとわ‐やまおとは‥【音羽山】

  1. [ 一 ] 京都市東山区、東山三十六峰の一つ。山腹に清水寺があり、古来紅葉(もみじ)名所。音羽の滝がある。標高二四三メートル。清水山。
  2. [ 二 ] 京都市山科区と滋賀県大津市の境にある山。北側は逢坂山に連なる。四ノ宮川に合流する音羽川水源。標高五九三メートル。歌枕。
    1. [初出の実例]「をとは山音に聞きつつ相坂(あふさか)の関のこなたに年をふる哉〈在原元方〉」(出典古今和歌集(905‐914)恋一・四七三)

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日本歴史地名大系 「音羽山」の解説

音羽山
おとわやま

山科盆地の東にあり、京都府と滋賀県の境をなす。北は逢坂おうさか山、南は醍醐だいご山に連なる。海抜五九三メートル。

音羽山は「名所都鳥」に

<資料は省略されています>

とあるように三ヵ所が知られる。つまり、清水きよみず(現東山区)の山号でもある音羽山と、逢坂関南の山科の音羽山(牛尾山はこの支峰)と、現左京区の比叡山西方の三ヵ所である。「又の説」も同じ地点をさしていて矛盾はない。ただし、左京区の地には音羽川はあるが音羽山はない。

山科の音羽山は歌枕である。郭公・紅葉・秋風などと詠合わせられることが多い。


音羽山
おとばやま

市南東部、宇陀郡大宇陀町との境界にあり、標高八五一・七メートル。竜門りゆうもん山地に属し、音羽山から南へきようづか(八八九メートル)くまヶ岳(九〇四メートル)に連なる。「大和志」に「山中有瀑、直下数仞、因山名瀑」、「菅笠日記」に「東の方にいと高き山をとへば。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「音羽山」の意味・わかりやすい解説

音羽山
おとわやま

京都市山科区東部の山。標高 593m。山科盆地の東をかぎり,滋賀県との境界に近い。古来歌枕となり,逢坂山とともに詩歌に詠まれた。中腹に天智天皇作と伝えられる千手観音本尊とする牛尾山法厳寺(牛尾観音),音羽ノ滝がある。東海道新幹線が山の下をトンネルで貫いている。

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