高倉神社(読み)たかくらじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「高倉神社」の意味・読み・例文・類語

たかくら‐じんじゃ【高倉神社】

  1. 福岡県遠賀郡岡垣町高倉にある神社。旧県社。祭神は大倉主命、天照皇大神、菟夫羅媛(つぶらひめ)命ほか。「日本書紀」によれば、仲哀天皇の筑紫行幸のさいに船が進まず、大倉主命・菟夫羅媛命の二神をまつって進むことができたとある。

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日本歴史地名大系 「高倉神社」の解説

高倉神社
たかくらじんじや

[現在地名]岡垣町高倉

汐入しおいり川の右岸、高倉字御下おしたにある。大蔵主命・菟夫羅媛命の二神を主祭神とし、相殿に天照皇大神を祀る。旧県社。同じく大蔵主命・菟夫羅媛命を主祭神とする現芦屋あしや岡湊おかのみなと神社(のち素盞嗚尊を合祀し、近世には祇園宮・祇園社とよばれた)は当社の下宮(高倉下宮)とされた。元禄八年(一六九五)貝原好古はこの二神にちなむ神社縁起を「高倉神社縁起」にまとめている。古来より多くの社領・社坊を有し、中世には遠賀庄鎮守とされた(太宰管内志)。天文二二年(一五五三)八月日の宗像御代寺社武家知行帳(占部文書/宗像市史 史料編二)に「三町一反 高倉村高蔵宮分」とみえる。永禄二年(一五五九)守護職を得て筑前に侵攻を開始した豊後の大友義鎮の軍勢によって社殿・社宝ともにことごとく焼失したという。天正五年(一五七七)宮司坊栄源によって再建のための勧進活動が始められ、当時支配者であった宗像大宮司氏貞の援助を得てようやく仮殿の造営が成ると、続けて神殿拝殿などが営まれるなど当社は一時復興への道を歩み始めたが、同一五年、九州平定に赴いた豊臣秀吉によって社領没収という大打撃を受けた。


高倉神社
たかくらじんじや

[現在地名]舞鶴市字長浜

長浜ながはま集落のほぼ中央、舞鶴湾に面した山麓にある。祭神は春日大神(天児屋根命)・八幡神(誉田別尊)天満天神(菅原道真)。旧村社。近世までは高倉八幡宮と称した。

草創についてはつまびらかでないが、古くは現在地の後方山上に鎮座していたのを、付近を航行する者が神威をおそれて今の地に遷座したと伝える。

当社に現存する棟札の一に、

<資料は省略されています>

と記されたものがあり、また社蔵文書に

<資料は省略されています>

とあって、若狭高浜たかはま(現福井県大飯郡高浜町)の城主岡本主馬助が当社に田畑を寄進している。なお、右文書に「永代被下領知之内」とあり、また「余戸六ケ村百姓中」とあるので、この頃、余部里あまるべのさと庄六ヵ村は岡本主馬助の領知となっていたものと考えられる。


高倉神社
たかくらじんじや

[現在地名]上野市西高倉

北に高旗たかはた(六二九メートル)を背負う大谷おおたに山にあり、南に上野盆地を見はるかす。旧郷社。「三代実録」貞観三年(八六一)四月、「授伊賀国正六位上高倉神従五位下」と進階の記事があり、祭神高倉下命は天香山命とされる。ところで「新撰姓氏録」に「新家首 汗麻斯鬼尼(汗麻斯麻足尼)命之後者 不見」とあるが、「古事記」では宇麻志麻遅命は物部氏の祖とされる。「三代実録」の貞観一六年九月七日条に「伊賀国節婦新家公福刀自叙位二階、免同戸課、旌表門閭」とあり、近くには和銅四年(七一一)新家にいのみ駅が置かれている。


高倉神社
たかくらじんじや

[現在地名]山城町綺田 神ノ木

しぶ川南岸に鎮座する。祭神は天児屋根あめのこやね命・以仁王。春日高倉社(京都府地誌)ともいう。旧村社。社前右に以仁王の墓と伝えるものがある。治承四年(一一八〇)五月後白河天皇第二皇子の以仁王が宇治川合戦後南都に逃れる時、当地辺りで流矢に当たり没した。同所にあった春日神社境内に葬ったが、明治一八年(一八八五)春日社名を高倉宮神社と改称したと伝える。また「山州名跡志」は以仁王の死後、「後人是ヲ愍ミテ、其地ニ塚ヲつき神ニ崇ル」と記すが、真偽のほどは定かでない。「平家物語」巻四(宮御最期)には「案のごとく、宮は卅騎ばかりで落させ給ひけるを、光明山の鳥居のまへにておつつきたてまつり、雨のふる様にゐまいらせければ、いづれが矢とはおぼえねど、宮の左の御そば腹に矢一すぢたちければ、御馬より落させ給て、御頸とられさせ給ひけり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「高倉神社」の解説

高倉神社〔福岡県〕

福岡県遠賀郡岡垣町にある神社。旧県社。祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、大倉主命(おおくらぬしのみこと)、菟夫羅媛命(つぶらひめのみこと)。開運厄除けの神として知られる。

高倉神社〔三重県〕

三重県伊賀市にある神社。1574年建立。本殿、境内社八幡社本殿などは国の重要文化財に指定されている。

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