高度計(読み)コウドケイ(その他表記)altimeter

翻訳|altimeter

デジタル大辞泉 「高度計」の意味・読み・例文・類語

こうど‐けい〔カウド‐〕【高度計】

高度を測定する器具器械航空計器・登山用具などとして用いられ、大気圧変化を利用するものや、地上に向けて発した電波が反射して戻るまでの時間を利用するものがある。

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精選版 日本国語大辞典 「高度計」の意味・読み・例文・類語

こうど‐けいカウド‥【高度計】

  1. 〘 名詞 〙 飛行中の航空機の高度や、登山などでの現在地点標高を測定する計器気圧高度計と絶対高度を指示する電波高度計とに大別される。

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改訂新版 世界大百科事典 「高度計」の意味・わかりやすい解説

高度計 (こうどけい)
altimeter

地表面または海水面からの高度を測る計測器で,おもに航空機で使用される。気圧高度計と電波高度計に大別される。気圧高度計は高度が高くなるにしたがい気圧が減少する関係を用いて,検知した気圧から算出される高度(気圧高度)を表示する。気圧と高度の関係は,一般に標準大気と呼ぶ仮想大気を仮定して求めるが,実際には測定場所や時間により気圧が変動するなど標準大気状態にないため,指示高度に誤差を生じる。このため気圧高度計では上記の誤差を容易に補正できるようにしてある。電波高度計は航空機などから地表に向かって電波を発射し,その反射波を受け高度を測定する計器で,反射波の周波数のずれにより高度を知る周波数変調方式の低高度用のものと,反射波が戻ってくるまでの時間により高度を知るパルス方式の高高度用のものがある。気圧高度計と異なり,地表と航空機などとの垂直距離,つまり絶対高度を指示するので,絶対高度計とも呼ばれる。
高度
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高度計」の意味・わかりやすい解説

高度計
こうどけい

地表面あるいは海面からの高度を測る計器。気圧高度計は高さとともに気圧が減少することを利用したもので、携帯に便利なアネロイド気圧計に高度の目盛りをつけてある。明治の初年富士山頂の高さを測った際にも、気圧計が使われた。気圧の違いは高さばかりでなく、気温にもよる。気圧高度計の目盛りは、標準大気とよぶ気温分布にあわせてあるが、実際の気温と異なるにつれて誤差を生じる。飛行機に取り付けた気圧高度計は、地上気圧を補正しても、気温が低いほど実際よりも低い高度を示す。鉛直下方に向けて発射した電波が、反射して戻る時間で高度を求める電波高度計は、このような誤差がない。

[篠原武次]

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百科事典マイペディア 「高度計」の意味・わかりやすい解説

高度計【こうどけい】

気圧高度計はアネロイド気圧計と同じ原理のもので,気圧の代りに標準大気圧と比較算定した海抜高度が目盛ってある。航空機では発着時に飛行機の大気圧に合わせて目盛を修正すればその飛行場からの高度を知り得る。電波高度計は絶対高度計ともいわれ,航空機から極超短波を垂直下方に発信,地面からの反射波が返ってくるまでの時間から高度を算定する。飛行中に対地高度差を刻々と知ることができる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高度計」の意味・わかりやすい解説

高度計
こうどけい
altimeter

海抜高度をはかる計器。最も普通なのは高度に対する気圧変化を利用し,気圧計を高度計に使う方法で,薄い金属板でつくった真空空盒 (くうごう) の気圧変化による変形を拡大指示するアネロイド気圧計が多く用いられる。指示目盛りは直接高度を目盛ってあり,簡便である。気温の影響は補正できるが,精度はよくない。電波高度計は一種のレーダで,発信電波の反射時間または反射波の位相のずれから高度を知る。精度がよくもっぱら航空機に用いられる。

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パラグライダー用語辞典 「高度計」の解説

高度計

アルチメーターのこと

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世界大百科事典(旧版)内の高度計の言及

【航空計器】より

…地上の交通機関で用いられる計器に比べ,高い精度をもっていること,小型,軽量であること,温度,圧力などの環境の変化に対する耐久性に優れていること,応答が速いこと,表示の読取りが容易であることなどが強く要求される。
[歴史]
 初期の飛行機では,飛行・航法計器としてせいぜい時計,高度計,速度計,磁気コンパスくらいを装備しているにすぎなかった。しかも高度計も気圧計の読みを標準大気に従って換算した気圧高度を示すもので,現在のような補正を行う機能はもっておらず,地上の気圧が標準気圧と異なる場合や,実際の大気が標準大気のとおりの高度変化をしない場合は誤差を生ずる。…

※「高度計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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