ショウガ科(APG分類:ショウガ科)の多年草ウコンの根茎からとった黄色の染料。粉末はカレー粉の主原料の一つ。わが国には、近世以後シャム(タイ国)、中国、琉球(りゅうきゅう)などより輸入され、「きぞめぐさ」と称されて黄色の染色に用いられた。江戸前期の小袖雛型(こそでひながた)本には「地うこん」と記されたものが多く、当時かなり流行したもののようである。根を粉末状にした「うこん粉」はよく水に溶解するので、そのまま染料として用い、また酸、灰汁(あく)、ミョウバン、鉄などを用いて、種々色相の異なった美しい黄色を染め出す。ただし光線に対する堅牢(けんろう)度が非常に弱いので、緋色(ひいろ)を染めるのに紅の下染めに用いたり、食品(沢庵(たくあん)漬けなど)の色づけや、また特殊な香気を虫が嫌うというので、木綿に染めたものを嬰児(えいじ)の産着に用いたり、道具類や布帛(ふはく)類などの包み布や風呂敷(ふろしき)などに使用したりすることが多かった。今日でも、反物の端に上巻きとしてついている黄色の木綿を「鬱金文庫」というのはその名残(なごり)である。
[山辺知行 2019年6月18日]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…花弁が100枚から300枚以上にも増加した菊咲きのサクラもあり,兼六園菊桜は金沢の兼六園にあったサクラで,老木になると350枚から380枚の花弁のある花をつけ,一つの花の中にさらにもう一つの花が重なり,いわゆる二段咲きになっている。花色の変わったものもあり,鬱金(うこん)や御衣黄(ぎよいこう)は黄緑色の八重の花が咲く。 春も深まった5~6月になると,ミヤマザクラ(深山桜)P.maximowiczii Rupr.(イラスト)が咲く。…
※「鬱金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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