鳥の跡(読み)トリノアト

デジタル大辞泉 「鳥の跡」の意味・読み・例文・類語

とり‐の‐あと【鳥の跡】

《中国上古、黄帝の時、蒼頡そうけつが鳥の足跡を見て文字を作ったという故事から》文字。筆跡。また、手紙
「―ひさしくとどまれらば」〈古今仮名序
へたな文字や筆跡。
陸奥国紙みちのくにがみ五六枚に、つぶつぶとあやしき―のやうに書きて」〈・橋姫〉
[類語]文字文字もんじ鳥跡ちょうせき用字表記点画てんかくレター邦字ローマ字アルファベットハングル梵字ぼんじ大文字小文字頭文字イニシャル英字数字漢字仮名真名片仮名平仮名万葉仮名字母表音文字表意文字音字意字象形文字楔形くさびがた文字甲骨文

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鳥の跡」の意味・読み・例文・類語

とり【鳥】 の=跡(あと)[=足(あし)

  1. 鳥の足あと。
    1. [初出の実例]「御返、臥しながら〈略〉書い給ふ。言の葉のつづきもなう、あやしきとりのあとのやうにて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)柏木)
  2. ( 中国の黄帝の時、蒼頡(そうけつ)が鳥の足跡を見て文字を創作したという伝承から ) 文字。筆跡。また、手紙。
    1. [初出の実例]「とりのあと、ひさしくとどまれらば」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  3. へたな筆跡。金釘流
    1. [初出の実例]「仰せ書などを、誰もとりのあとにしもなどかはあらむ」(出典:枕草子(10C終)一五八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android