血小板(読み)ケッショウバン

デジタル大辞泉 「血小板」の意味・読み・例文・類語

けっ‐しょうばん〔‐セウバン〕【血小板】

血液成分の一。血液を凝固させ止血作用がある。直径2~3マイクロメートルの細胞小片。

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共同通信ニュース用語解説 「血小板」の解説

血小板

血液成分の一つで、骨髄内の巨核球という細胞から分離してできる。直径2~3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。出血すると、血小板同士が集まり固まって、傷口をふさぐ。輸血用の血小板の供給献血に依存しているが、提供者の減少や医療ニーズの増加などで、世界的に需要に追い付かないとの懸念がある。血小板の減少は白血病やウイルス感染などによって起きる。再生不良性貧血の場合は血小板だけでなく赤血球白血球など、すべての血液成分が減る。

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精選版 日本国語大辞典 「血小板」の意味・読み・例文・類語

けっ‐しょうばん‥セウバン【血小板】

  1. 〘 名詞 〙 血液中の有形成分の一つ。核のない、不規則な形の小体で、骨髄にある巨大核細胞からつくられる。ヒトの血液一立方ミリメートル中に一五~三五万存在。血液凝固に重要な働きをする。

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百科事典マイペディア 「血小板」の意味・わかりやすい解説

血小板【けっしょうばん】

血球の一種。骨髄の巨大核細胞の細胞質がちぎれてできたもの。直径約2μmの小円板で,核はない。健康人で1mm3の血液中に20万前後。寿命は7〜10日。出血した時など活性化された血小板は傷口に多数集まり,変形し偽足を出して,顆粒内容物を放出する。この放出物によって血小板同士が凝集して傷口をふさぐ。またこの放出物には血液凝固における重要な物質が含まれ,血栓(けっせん)の形成の原因にもなるため栓球ともいわれる。血小板の病気は,その数の不足する血小板減少症(たとえば血小板減少性紫斑病),質の低下する血小板無力症があり,後者は多く遺伝性疾患である。
→関連項目アレルギー反応血液血液製剤血球サイトメガロウイルス成分献血造血幹細胞移植溶血性尿毒症症候群

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「血小板」の意味・わかりやすい解説

血小板
けっしょうばん

骨髄にある多形核巨大細胞の細胞質からちぎれて生じ、流血中に入った有形成分をいう。径2~4マイクロメートルの顆粒(かりゅう)をもった無核の小体である。血中の濃度は1立方ミリメートル中25万~35万個で、半減期は約7日である。血小板中には、筋原線維(筋線維内で収縮をつかさどる細い線維)の中に含まれているものと同じアクチンミオシン、さらにグリコーゲン、リボソームが含まれている。その顆粒の一種には、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、セロトニンカルシウムを含み、他の顆粒中には血液凝固因子その他のタンパク質を含む。

 血管壁が損傷されると、血小板は、そこの露出したコラーゲン(硬タンパク質)に粘着し、周辺部の細管から顆粒の内容物を放出する。このとき、分泌されたセロトニンは損傷部位の血管を収縮させる。ADPは他の血小板を粘着させ、その顆粒内容物の放出を促す。このような血小板の集まりは、赤血球が入っていないので白色血栓(白栓)という。白色血栓は、損傷された血管からの出血を抑えるうえで、重要な第一歩の過程とされている。

 血小板の生成は、血流中に存在するトロンボポイエチン、または血小板生成促進因子(TSF)とよばれる物質によって調節される。この物質は多形核巨大細胞の生成と成熟を促進する。

[本田良行]

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改訂新版 世界大百科事典 「血小板」の意味・わかりやすい解説

血小板 (けっしょうばん)
thrombocyte
blood platelet

血液中の血球の一つで,顕微鏡下でごみのように見える小体。直径1~3μmで,骨髄内の巨核球と呼ばれる母細胞の細胞質がちぎれて血液中に出現したものである。正常では,血液1mm3当りおよそ15万~30万個存在し,循環血中での寿命は約10日である。血小板の細胞膜は血管以外の異物に粘着しやすい性質を有し,また細胞内に含まれている化学物質を放出して血小板どうしが互いに凝集して細胞塊を形成する。このような性質があるため,血管が破れると血小板が粘着,凝集して破れた部位に栓をして,出血を止めるのに重要な役割をはたす。血小板数が減ったり,血小板の機能(粘着,凝集能)が悪いと,軽い外力ですぐ皮膚や粘膜に点状出血を生じ,止血するのにも長時間を要するようになる。これを紫斑病(血小板減少性紫斑病)という。
血液 →血液凝固 →血球
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「血小板」の意味・わかりやすい解説

血小板
けっしょうばん
platelet

白血球,赤血球とともに血液中の有形成分の一つで,止血,血液凝固にきわめて重要な役割を果す小細胞片。正常人では,血液 1mm3中に 12~40万個含まれる。血小板は,血管外に出るともろく,凝集しやすい。小血管が損傷すると,数秒後には血小板が血管表面に付着し,互いにくっつき (凝集) ,すみやかに小さい血栓をつくって,止血に役立つ。血小板には,種々の凝固因子や血餅退縮現象に必要な物質が含まれており,これまで第 IX因子まで提唱されているが,最も重要なのは血液凝固因子の第 III因子 (血小板第 III因子) である。

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生活習慣病用語辞典 「血小板」の解説

血小板(PLT、血小板数)

血液中に含まれる血小板の数を調べる検査のこと。血液を固める作用があり、血管が傷つき出血したときに血を止める役割を果たします。低値であれば止血機能が低下し、高値であれば血栓ができやすくなります。QUPiOでは 15-40万個/μl を正常値としています。

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栄養・生化学辞典 「血小板」の解説

血小板

 直径1〜2mmの核のない細胞で,骨髄で作られ,血液凝固に重要な役割を果たす.

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世界大百科事典(旧版)内の血小板の言及

【血液】より

…献血に際しては,比重が1.052以下の場合は不適格とされる。
[血球haemocyte(blood corpuscle)]
 血漿の中に浮遊している血液固有の細胞を血球といい,赤血球白血球血小板の3種類に大別される。耳たぶや皮下の静脈などの末梢血管から採った血液(これを末梢血という)について数の割合を調べてみると,白血球1に対して,血小板25,赤血球500である。…

【血球】より

…体腔や閉鎖性循環路をもつ無脊椎動物には,呼吸色素をもつ細胞もみられる。これらの細胞は,機能的にそれぞれ脊椎動物の赤血球や栓球(哺乳類では血小板)に類似し,またその発生は体腔や血管内皮から遊離する形をとるものが多い。一般に無脊椎動物にみられる血球の種類は動物の系統進化との明白な関係がみとめられない。…

※「血小板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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