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SU(3)対称性 エスユースリーたいしょうせいSU(3) symmetry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

SU(3)対称性
エスユースリーたいしょうせい
SU(3) symmetry

アイソスピンストレンジネスを同等に含む変換群 SU(3)に関する不変性。ユニタリ対称性の1種である。 SU(3)群は荷電空間を部分空間とする三次元複素空間(ユニタリ空間)内の変換群であり,強い相互作用は SU(3)群に関して近似的に不変である。これは u,d,s のクォークの質量差があまり大きくないことによる。ハドロンは SU(3)群の既約表現であるアイソスピン-ストレンジネス多重項によって分類される。各多重項は同一のスピン,パリティをもつ。たとえば,擬スカラー中間子の八重項( π+ , π0 , π- , K+ , K0 , , K- , η )および一重項( η' ),ベクトル中間子の九重項( K*+,K*0,ρ+,ρ0,ρ-,K*0,K*-,ω,φ ),バリオン八重項( p,n,Λ,Σ+,Σ0,Σ-,Ξ0,Ξ- ),バリオン十重項( Δ++,Δ+,Δ0,Δ-,Σ*+,Σ*0,Σ*-,Ξ*0,Ξ*-,Ω- )などの多重項が知られている。多重項に属する粒子の質量間には簡単な公式(ゲルマン=大久保の質量公式)が成り立ち,ハドロン間の相互作用の強さの比も決定される。なおアイソスピンとストレンジネスに加えてチャームをも同等に含む変換群 SU(4)に関しても,強い相互作用は近似的に不変である。

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世界大百科事典 第2版の解説

エスユーさんたいしょうせい【SU(3)対称性 SU(3) symmetry】

SU(3)対称性とは,一般に3種類の複素数量があったとき(物理学の場合は3種類の波動関数),その三つの量の間の一次変換の中でとくに行列式の価が+1になるようなユニタリ変換を考え,その変換のもとで理論の中にでてくる方程式がすべて不変であるような性質をいう。素粒子論では強い相互作用をするあらゆる素粒子は陽子(P),中性子(N),ラムダ粒子(Λ)の三つの素粒子からできているとする坂田模型を数学的な理論体系に築きあげる過程で,日本の池田峰夫,小川修三,大貫義郎およびアメリカのM.ゲル・マンらによって導入された。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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