( [ 一 ]①②について ) 古来からの山岳修験道などを、寺院仏教に対して外道の法と称し、特に、真言密教と結びついた呪法に関連して、天狗や稲荷の狐などを外法様と称した。
仏法の正しい教えからはずれた法術。私利私欲を満たすために,他人を犠牲にすることをも恐れない法術のことで,邪術や幻術とほぼ同義である。外術(げじゆつ),外道(げどう)ともいう。天狗の行う法術(呪術)は外法であると考えられており,天狗のことを外法様,その術を行うことのできる僧を外法僧ということがある。外法僧の多くは,山伏や陰陽師たちであった。外法にもさまざまな種類があったが,《源平盛衰記》にみえる,平清盛が心を動かした荼吉尼(だきに)の法は,そのもっとも知られたものの一つである。外法は中世に盛んに行われ,僧たちのみでなく,広く庶民の間でも用いられたようであるが,近世になると,外法神の多くは邪神的属性が除かれて福神へと変化してしまったと考えられている。外法は,仏法への不信を述べ,しかるべきところで7日間人知れず精進潔斎すると習得できるといい,また,この法を行う呪具として長頭の人の頭蓋骨が用いられたと伝えられている。これを外法頭(あたま)という。たとえば,《増鏡》に,西園寺公相(きんすけ)の頭が外法頭とするため墓地から盗まれた話がみえている。源義経が鞍馬の奥の僧正ヶ谷で天狗から習得したという兵法も,外法の類であると考えてよいであろう。
→外道
執筆者:小松 和彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…仏教においては,仏教以外の宗教や思想をすべて外道,外教(げきよう)あるいは外法(げほう)などと呼んでいる。サンスクリットの原語は(anya‐)tīrthakaであって,(その宗教より)以外の宗教およびその信者,すなわち異教,異教徒を意味している。…
※「外法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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