デジタル大辞泉
「大谷川」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
だいや‐がわ‥がは【大谷川】
- 栃木県西部、華厳滝から日光・今市の両市を流れて鬼怒川に合流する川。中禅寺湖から流れ出て華厳滝となる大尻川に連なる。日光市馬返(うまがえし)まで華厳渓谷の峡谷美を形成。東照宮の近くには神橋がかかる。全長二九キロメートル。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
大谷川
だいやがわ
中禅寺湖を源とし、その東端中宮祠で華厳滝として落下、華厳渓谷を刻んで馬返・清滝から緩やかな流れとなって東へ流れ、久次良町付近で荒沢、匠町・本町付近で田母沢を合せ、神橋に達する。山内と日光町を結ぶ神橋付近は最も川幅が狭い。神橋の少し上流の中洲には神橋左岸に祀られた深沙王の「石体」とされた「高座石」とよばれる名石があった。神橋から少し下流で稲荷川が合流、川幅を広げながら南東流する。今市市内では今市扇状地を形づくり、今市の七本桜付近で北東に流れを変え、大渡・町谷の最東部で鬼怒川に合流する。
大谷川
おおやがわ
栃木県真岡市から流出し、同県芳賀郡南部、下館市西部を貫流し、嘉家佐和の南で小貝川に流入する全長二四キロの小河川。栃木県域では大井口用水とよばれ、茨城県下では大谷川とよばれる。現在下館市域ではもっぱら排水路の役割を果すが、下流の黒子堰からの用水は、下妻市東部地域を灌漑する。
元和九年(一六二三)関東郡代伊奈忠勝支配の時に大谷川の付替工事が実施されている(大谷川変遷史)。当時、大谷川は川久保(現真壁郡関城町)の東を南流し、宇津保谷(現下妻市)で小貝川に流入していたが、伊奈氏の工事は大谷川を川久保で堰止めて新川を掘継ぎ、東方一キロの現在地点で小貝川に結び、川久保以南の湿地を干拓して新田造成を図るもので、さらに延長五キロにわたり小貝川に築堤を施し、干拓事業の補完をした。
大谷川
おおたにがわ
石動山系七尾城山(三八〇・七メートル)の七尾城跡南側から流出。古城・小池川原・古府・古屋敷・竹・藤野・本府中・矢田・矢田新の各町を貫流し、同じく城山から流れ出す雉田川・蹴落川・鍛冶屋川・杵田川の支流を合せて七尾西湾に注ぐ。全長四キロのうち約三キロが二級河川に指定。
宝暦一四年(一七六四)の調書に、古城山大谷より流れ出て矢田村領で海へ注ぐ。水源より流末まで道程二里ほどとある(能登志徴)。
大谷川
おおたにがわ
金生山西麓に発し、大垣市北西部の青墓町から南流して綾野町地内南端で相川に合流する一級河川。全長約八・四キロ。なお、相川は下流で杭瀬川に合流。青墓付近は南北朝期から江戸初期にかけて大谷郷・大谷村と称したことから、これが川の名となったと考えられる。かつて荒川村以南は蛇行がはなはだしく、「濃州徇行記」に「此大谷川は百曲と云て川容屈曲せり」とあり、百曲川ともよばれた。明治期に至るまで左岸の綾里輪中堤を除いて両岸に堤防がなかった。そのため、豪雨出水の折には大谷川沿いの村々は、上流からは福田村付近より溢れる杭瀬川の水を受け、下流からは杭瀬川最下流の烏江(現養老郡養老町)・高淵間の狭隘部に妨げられて氾濫する杭瀬川・相川の逆水を受け、絶えず水害を被っていた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
大谷川 (だいやがわ)
栃木県日光市の旧日光・旧今市両市域内を流れる川。中禅寺湖に発し,東流して高さ97mの華厳滝(けごんのたき)となり,神橋(しんきよう)を経て鬼怒川に合流する。幹川流路延長30km,全流域面積259km2。華厳滝となって流下するまでを大尻(おおじり)川と通称する。上流部馬返から華厳滝までの華厳渓谷は深い谷をなし,その一部は華厳滝の後退により形成された。荒沢,田母(たも)沢,稲荷川など,支流は北から流入するものが多い。本・支流に多くの滝がかかり,華厳滝のほか,裏見滝,寂光滝などが著名。川を境に北は日光火山群,南は足尾山地に分かれる。旧日光と旧今市の市街地は大谷川によって形成された今市扇状地の扇頂部に発達した。上流部は発電・工業用に,下流部はおもに灌漑・都市用水に利用される。電源開発の歴史は古く,1906年設立の古河鉱業(現,古河機械金属)日光精銅所や,28年同精銅所内で操業開始し40年に現在地に移った古河アルミは,大谷川の豊かな電力により立地したものである。現在11ヵ所の水路式発電所が稼働し,大部分の水はトンネルの中を流れ,所野第3発電所から大谷川に戻される。大谷川は中禅寺湖から流れ出るため流量が安定しており,宇都宮市の上水道にも利用されている。
執筆者:平山 光衛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
大谷川
だいやがわ
栃木県西部、日光市を流れる川。中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)に発し、華厳滝(けごんのたき)となって落下したあと、清滝(きよたき)地区で左沢(ひだりさわ)川をあわせ、男体(なんたい)山腹の荒沢、女峰赤薙(あかなぎ)山腹に発する稲荷(いなり)川、鳴沢(なるさわ)川をあわせつつ日光、今市の両市街地を貫流して鬼怒川(きぬがわ)に注ぐ。流路延長29.9キロメートル。水質の環境基準はA類型。清滝から下流の沿岸に河岸段丘を形成し、今市扇状地はこの川の堆積(たいせき)作用などによって生成した複成扇状地。流況が安定し、夏の水温が低いのに特徴がある。水力発電にも利用され、谷口集落の今市まで10か所の水力発電所が稼動し、清滝の電気化学工場などの電源となっている。宇都宮市、日光市の上水道水源や流域の農業用水として重要。
[平山光衛]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
大谷川【だいやがわ】
栃木県西部の川。長さ29km。華厳滝(けごんのたき)に発して東流,今市市(現・日光市)から扇状地を形成し,鬼怒川に合流する。中流に日光があり,神橋がかかる。北側の日光火山群から合流する諸支流には霧降滝,裏見滝,雲竜瀑など有名な滝が多い。発電,宇都宮市の上水道の用水となる。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
大谷川
だいやがわ
栃木県の中西部を東流する鬼怒川の支流。全長 29.9km。中禅寺湖に発するが,中禅寺湖から華厳滝までは大尻川,滝から下流を大谷川という。急流をなし,支流にも裏見,寂光,白糸などの滝が多い。日光市細尾,清滝,所野には水力発電所がある。中流の今市付近では扇状地を形成し,そこには二宮尊徳の開発による二宮堀がある。大谷川の水は,扇状地の灌漑用水になるほか宇都宮市の上水道の水源でもある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報