(読み)ババア

デジタル大辞泉 「婆」の意味・読み・例文・類語

ばばあ【婆】

老女。また、老女をののしっていう語。⇔じじい
[類語]おばあさんばあさん老女老婦老婆ばばおばばおうなおみなうば老媼

ば【婆】[漢字項目]

常用漢字] [音](呉) ホ(唐) [訓]ばば
年老いた女。ばば。「産婆老婆
袖を翻して舞うさま。「婆娑ばさ
梵語の音訳字。「婆羅門娑婆しゃば卒塔婆そとば
難読湯湯婆ゆたんぽ

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精選版 日本国語大辞典 「婆」の意味・読み・例文・類語

ばばあ【婆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 老女。また、老女をののしっていう語。また、特に、取上婆(とりあげばばあ)遣手婆(やりてばばあ)をさしていう。
    1. [初出の実例]「翁(ぢぢい)は大和の牧童(くさかり)、媼(ババア)河内の洗濯屋」(出典:談義本・華鳥百談(1748)序)
  3. うば乳母
    1. [初出の実例]「そこでおころびだと乳母(ババア)大しくじりだ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
  4. 苦情ぐち。もんく。
    1. [初出の実例]「ばばあをいうなと云ことをしらぬか」(出典:洒落本・四十八手後の巻(1818か)内花街)

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普及版 字通 「婆」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音]
[字訓] ばば・はは

[説文解字]

[字形] 形声
声符は波(は)。〔説文〕十二下に「は奢るなり」とあり、〔韻会〕に引く〔説文〕には「一に曰く、老女のなり」とあって、(ば)は婆と同義の字である。般に般楽の意があり、婆娑(ばさ)として舞う義の字であろう。波にも動揺・起伏の意があり、婆とは婆娑の状をいう。また老母・老婦の意に用いる。

[訓義]
1. 舞うさま、婆娑。
2. ばば、老女、そのぐずつくさまよりいう。
3. はは、方言。また、じじをいうことがある。

[古辞書の訓]
名義抄〕婆 ハハ 〔立〕婆 トラカス・ハハ/婆娑 マフ 〔字鏡集〕婆 ハハ・マヒノカタチ・トラカス

[語系]
婆buai、波puaiは声近く、波の波動するように舞うことを婆娑という。・槃buanもまた蹣跚(まんさん)として舞う意の字。婆はのち母m、また老母の意に用いる。

[熟語]
婆娑婆子婆娘婆心・婆然婆婆
[下接語]
阿婆・産婆・闍婆・塔婆・媒婆・老婆

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【人形浄瑠璃】より


[人形の首]
 人物の性別,老幼,性格,境遇などに応じて,男の首(かしら)には,老年に〈鬼一(きいち)〉をはじめ9種,中年には〈文七(ぶんしち)〉をはじめ20種,若者には〈源太(げんだ)〉をはじめ5種,あわせて34種がある。女の首は,老年に〈婆(ばば)〉をはじめ3種,中年に〈老女形(ふけおやま)〉をはじめ4種,若い女性には〈娘〉をはじめ7種,あわせて14種がある。このほか,〈景清〉〈丞相(しようじよう)〉などの,一役一首で他に流用されることがほとんどない特殊な首が6種,これに新作ものの首を加えると24種になる。…

※「婆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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