水若酢神社(読み)ミズワカスジンジャ

デジタル大辞泉 「水若酢神社」の意味・読み・例文・類語

みずわかす‐じんじゃ〔みづわかす‐〕【水若酢神社】

島根県隠岐おき郡隠岐の島町にある神社。主祭神は水若酢命。隠岐国一の宮

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精選版 日本国語大辞典 「水若酢神社」の意味・読み・例文・類語

みずわかす‐じんじゃ みづわかす‥【水若酢神社】

島根県隠岐郡隠岐の島町にある神社。旧国幣中社。祭神は水若酢命(みずわかすのみこと)ほか仁徳天皇の時代の創立と伝えられる。社殿は変形の大社造りで、隠岐造りという。隠岐国一の宮。

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日本歴史地名大系 「水若酢神社」の解説

水若酢神社
みずわかすじんじや

[現在地名]五箇村郡

犬町いぬまちに鎮座。式内社で、中世には隠岐国一宮、近世にはイック(一宮)サンとよばれた。旧国幣中社。祭神は水若酢命など。「続日本後紀」承和九年(八四二)九月一四日条に穏地おち郡水若酢命神とみえ、官社に列せられている。「延喜式」神名帳には水若酢命神社とあり、名神大社とされている。隠岐国一宮となるのは一一世紀末―一二世紀初め頃と推定されるが、その事情は明らかでない。永享元年(一四二九)七月二〇日の久清書状案(忌部家文書)に隠州大宮司社領とあるが、この書状は当社の鎮座する重栖おもす庄の領主重栖氏に宛てたもので、大宮司社領は当社の神官、すなわち大宮司が支配する所領のことをいう。中世隠岐国で神官が大宮司を称するのはほかになく、当社が一宮であったことが確かめられる。

しかし尼子氏権力を背景とした守護代隠岐氏による隠岐国支配が強まるなかで、一宮など在地諸勢力との矛盾が激化したようで、享禄三年(一五三〇)から天文元年(一五三二)にかけて大きな変動が訪れる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水若酢神社」の意味・わかりやすい解説

水若酢神社
みずわかすじんじゃ

水若酢命(みずわかすのみこと)神社とも。隠岐(おき)国の一宮(いちのみや)で島根県隠岐郡隠岐の島町郡(こおり)に鎮座する。延喜(えんぎ)式内社(名神大)で旧国幣中社。兵火などにより古文書、縁起が失われたため、創建や祭神には未詳の点が少なくない。寛政(かんせい)年中(1789~1801)の文書によれば、創建は仁徳(にんとく)天皇の時代である。水若酢命を祀(まつ)り、中言神(なかことのかみ)、鈴御前(すずごぜ)を配祀(はいし)する。『続日本後紀(しょくにほんこうき)』承和(じょうわ)9年(842)9月14日条に官社に列した記事がみえ、『隠岐国神名帳』は神階を正四位上と記す。幕末に国学者中西毅男(たけお)が当社内に膺懲館(ようちょうかん)を建て尊王攘夷(じょうい)を唱えたことが、後の隠岐騒動につながっていった。社家は忌部(いんべ)氏の世襲。例祭は5月3日。この日隔年で行われる水若酢神社祭礼風流(ふりゅう)は県の無形民俗文化財に、本殿は国の重要文化財に指定されている。境内の東隅と北隅に古墳が各1基ある。

[平泉隆房]

『水若酢神社編『水若酢神社』(2005・学生社)』


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改訂新版 世界大百科事典 「水若酢神社」の意味・わかりやすい解説

水若酢神社 (みずわかすじんじゃ)

島根県隠岐郡隠岐の島町の旧五箇村に鎮座。水若酢命を主神とし,中言神,鈴御前を配祀する。創建年代不詳。社伝では崇神天皇のとき,伊後(いご)の海岸に水若酢命が上陸,捧羽山(ほうばさん)を経て現在地よりやや西北の地に移り,当地方を開発,のち奉斎されたが洪水にあい現社地に遷座したという。境内に隠岐最大の古墳があり,また付近に古墳の点在する沃野に鎮座。延喜の制で名神大社。のち隠岐国一宮。旧国幣中社。例祭5月3日。隠岐造の現社殿は1795年(寛政7)に造営された。
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百科事典マイペディア 「水若酢神社」の意味・わかりやすい解説

水若酢神社【みずわかすじんじゃ】

島根県隠岐郡五箇村(現・隠岐の島町)に鎮座。旧国幣中社。水若酢命などをまつる。仁徳天皇の時の鎮座と伝える。延喜式内の名神大社とされ,隠岐国の一宮。例祭は5月3日。
→関連項目隠岐諸島

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デジタル大辞泉プラス 「水若酢神社」の解説

水若酢神社

島根県隠岐郡隠岐の島町、島後(どうご)島にある神社。延喜式内社。主祭神は水若酢命。中言神(なかことのかみ)、鈴御前(すずごぜ)を配祀。隠岐造の本殿は国の重要文化財に指定。隠岐国一之宮。

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