デジタル大辞泉
「法身」の意味・読み・例文・類語
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ほっ‐しん【法身】
- 〘 名詞 〙 仏語。
- ① 二身の一つ。仏の説いた教法や、仏の成就した十力などの功徳の法。また、それを体得した仏身。生身(しょうじん)に対していう。
- ② 三身などの一つ。真如の理体をいう。真理そのもの、永遠の理法としての仏。
- [初出の実例]「生死も則法身(ホッシン)也」(出典:真如観(鎌倉初))
- [その他の文献]〔維摩経‐上〕
- ③ 仏身そのもの。仏それ自体。真如の理体としての法身を実相法身として、華厳宗ではさらに衆生の根機に応じて現われる変化法身など四種を加えた五種法身を説く。真宗では一如を体とする法性法身のほかに、それから姿を現わしたものとして阿彌陀仏を方便法身とする二種法身を説く。〔往生論註‐下〕
- ④ 応身の仏や菩薩。〔勝鬘経義疏(611)〕
- ⑤ 法体となった身。僧侶の身。
- [初出の実例]「道俗加持の香水をもちて法身の頂に注がるとおぼしめす」(出典:栄花物語(1028‐92頃)うたがひ)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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法身
ほっしん
仏教用語。サンスクリット語ダルマ・カーヤdharma-kāyaの訳。小乗仏教の有部(うぶ)では、仏の成就(じょうじゅ)した十力(じゅうりき)、四無所畏(しむしょい)などの功徳法(くどくほう)や、仏の説示した正法(しょうぼう)は無漏(むろ)であるとし、これを法身と称し、有漏(うろ)なる生身(しょうしん)の仏身と区別した。すなわち、仏をして仏たらしめている根拠としての目に見えない理仏(りぶつ)をいうのである。それは大乗仏教においては、仏の自性たる真如(しんにょ)、法性(ほっしょう)の同義異語となる。
[伊藤瑞叡]
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法身【ほっしん】
仏教で仏の本体の現れ方を説く三身(さんじん)の一つ。報身(ほうじん)・応身(おうじん)に対する。永遠不滅の真理で,仏の本身とされる。→仏身
→関連項目大日如来
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法身
ほっしん
dharmakāya
法仏,法身仏,自性身,法性身,実仏などともいう。仏陀の究極の本体。仏陀の姿を3種に分類したうちの一つ (→三身 ) 。仏陀は真理そのものであるとして,真理を仏陀の身体であるとする考え。
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世界大百科事典(旧版)内の法身の言及
【仏教】より
…しかしその場合でも,法(真理)の絶対性は失われず,仏は真理の体現者([如来],すなわち如=真理に来至し,また如より来至する者)とされている。仏の本質は法そのもので(法身),諸仏はその具体的顕現である(色身)。一方,修行の目標としての悟りを,絶対者たる法との合一に求めるのは,バラモン正統派のベーダーンタ学派が主張する〈梵我一如〉とも共通する神秘主義であるが,ことにこれは後期に発達した密教において著しい。…
【仏身論】より
…[仏陀]という存在の本質は何か,それはまた現象としてどのように展開してくるかを論ずる,仏陀に関する存在論。仏教の開祖釈迦の死後,歴史的人物としての釈迦=仏陀は決して無に帰したのではなく,宇宙の真理,あるいは精神の原理としての法(ダルマdharma)に帰入したのだという信仰から,仏陀の本質は〈法身〉であるという考えが,すでに[部派仏教]の時期にいくつかの部派の中でおこった。大乗仏教になって仏身に関する思索が深まり,中観派の[竜樹],さらには瑜伽行派の弥勒([マイトレーヤ]),[無著],[世親]らの論師たちによって最終的に3種の仏身をたてる〈三身説〉が成立した。…
【仏陀】より
…仏教では仏陀として過去七仏,未来仏としての弥勒仏,過去・現在・未来の三千仏などが考えられるようになった。また三身の説,すなわち真理そのものとしての法身(ほつしん)仏(たとえば[毘盧遮那(びるしやな)仏]),願を立てて浄土の主となり衆生の救済をはかる報身(ほうじん)仏(たとえば[阿弥陀]),娑婆世界に人間の姿をとって現れる応身(おうじん)仏(たとえば釈迦牟尼仏)の説が出現した。[仏(ぶつ)][仏教]【定方 晟】。…
※「法身」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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