質点が1直線に沿って振動するとき、質点をその直線上の原点に引き戻す復原力のほかに、質点の運動を妨げる抵抗力も働くと、振動の振幅は時間の経過とともに指数関数的に減少する。このような振動を減衰振動という。質点の原点からの変位が小さければ、復原力は変位に比例し、質点の速度が小さければ、抵抗力は質点の速度に比例する。この場合には、質点の運動方程式は2階線形常微分方程式で、その解は容易に求められるので、この場合について減衰振動を論ずることが多い。この場合には、振動の1周期ごとに振幅が減少する割合の自然対数の絶対値が、時間と無関係な一定値となる。この値は対数減衰率とよばれる。抵抗が大きい場合には、振動が1回おこるか、またはまったく振動しないで、質点の原点からの変位が時間とともに指数関数的に減少する。このような運動は過減衰とよばれる。減衰振動と過減衰の中間に、臨界制動とよばれる状態があり、振動の減衰がもっとも短い時間の間におこる。一般に、本来の減衰振動だけでなく、過減衰と臨界制動の運動も、広く減衰振動とよぶことが多い。
質点の1直線に沿っての振動に限らず、物体をつるした糸のねじれ振動で空気の抵抗がある場合や、コンデンサーC、コイルLおよび電気抵抗Rを直列につないだ電気回路における電気振動など、各種の振動において、減衰振動が生ずる。減衰振動をする質点の力学的エネルギーは時間の経過とともに失われるが、これは摩擦熱に変化する。回路の電気振動においては、電磁場のエネルギーが時間の経過とともに失われ、ジュール熱に変化する。
[飼沼芳郎]
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⇒ 臨界制動
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…このとき回路には周期的に変化する振動電流,
が流れる。
[減衰振動]
調和振動は,いったん振動を開始すると理論上はそれが永久に続くはずである。しかし実際に振子を振らせると,しだいに振れが小さくなって,やがて静止してしまう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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