獅子身中の虫(読み)シシシンチュウノムシ

デジタル大辞泉 「獅子身中の虫」の意味・読み・例文・類語

獅子しし身中しんちゅうむし

獅子体内に寄生して、ついには獅子を死に至らせる虫の意》
仏徒でありながら、仏法に害をなす者。
組織などの内部にいながら害をなす者や、恩をあだで返す者。
[補説]「獅子心中の虫」と書くのは誤り。
[類語]相手かたきライバル好敵手仇敵難敵宿敵敵方敵手怨敵大敵強敵天敵外敵政敵論敵・競争相手・対戦相手・碁敵ごがたき商売敵

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精選版 日本国語大辞典 「獅子身中の虫」の意味・読み・例文・類語

しし【獅子】 身中(しんちゅう)の虫(むし)

  1. しし(獅子)身中(しんちゅう)の虫(むし)獅子(しし)を食(くら)う
    1. [初出の実例]「およそかくのごときの人は、附仏法の外道也。師子身中のむし也」(出典:法然消息文(1212頃)越中国光明房へ遣はす御返事)
    2. 「獅子(シシ)しんちうの虫とは儕(おのれ)が事。我君より高知を戴き、莫大御恩を着ながら、敵(かたき)師直が犬と成て」(出典浄瑠璃仮名手本忠臣蔵(1748)七)

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故事成語を知る辞典 「獅子身中の虫」の解説

獅子身中の虫

味方でありながら災いをもたらす者や、恩を仇で返す者のたとえ。

[使用例] 獅子身中の虫になるのか。県の支援をつなぎ止める頼みの綱となってくれるか[真保裕一ローカル線で行こう!|2013]

[由来] 仏教経典に見られる表現。たとえば、「仁王経そくるいほん」では、王族たちが仏教を迫害するのは「師子身中の虫の自ら師子を食らうがごとし(「師子」は「獅子」と同じ。ライオンの体の中に住んでいる虫が、そのライオンを食べるようなものだ)」と批判しています。

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ことわざを知る辞典 「獅子身中の虫」の解説

獅子身中の虫

仏の教えの恩恵を受けながら、仏教に害を与える者。転じて、味方でありながら、内部からわざわいをもたらす者や恩をあだで返す者のたとえ。

[使用例] 政府そのものの中に、政府をあやううすべき獅子身中虫は少なからず宿って居た[徳富蘆花黒潮|1902~05]

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