莫大(読み)バクダイ

デジタル大辞泉 「莫大」の意味・読み・例文・類語

ばく‐だい【×莫大】

[形動][文][ナリ]《これより大なるはしの意。古くは「ばくたい」》程度や数量がきわめて大きいさま。「被害は莫大だ」「莫大財産
[派生]ばくだいさ[名]
[用法]莫大・多大――「莫大な(多大な)損害をこうむった」のように相通じて用いられる。◇「莫大」は「額」「量」「財産」など数量としてとらえられるものについて言うことが多い。「莫大な遺産を残す」◇「多大」は「多大な金額」のように用いるほか、「成果」「努力」「困難」などはっきり数量化できないことにも使われる。「多大な(の)恩恵を受けた」「多大な(の)影響を与える」◇「莫大」は連体形が「莫大な」となるが、「多大」は「多大の」の形でも使う。◇類似の語に「甚大」がある。「甚大」はふつう好ましくないことに用いる。「被害甚大」◇三語とも「莫大(多大・甚大)な死者が出た」のような、人数についての使い方はない。
[類語]甚大膨大絶大多大多いたくさんいっぱい夥しい多く数数かずかず多数数多すうた無数多量大量大勢おおぜい大挙多勢多人数大人数衆人巨万豊か潤沢無尽蔵山ほど盛り沢山がっぽりがっぽがっぽ多め幾多過多最多多作あまた多多いくらもいくらでもざらにごろごろどっさりたっぷり十二分に豊富にふんだんに腐るほどごまんとわんさとしこたまたんまりうんとたんと仰山ぎょうさんなみなみ十分しっかりがっつり多め数知れない数知れぬ数え切れない十指に余る枚挙にいとまがない掃いて捨てるほど

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精選版 日本国語大辞典 「莫大」の意味・読み・例文・類語

ばく‐だい【莫大・莫太】

  1. ( 古くは「ばくたい」。「これより大なるは莫(な)し」の意 )
  2. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 程度・量がひじょうに大きいさま。この上ないさま。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「今これらの莫太(バクタイ)御恩を忘て」(出典:高野本平家(13C前)二)
    2. [その他の文献]〔漢書‐賈誼伝〕
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙 程度・量がはなはだしいさまを表わす。ひじょうに。たくさん。
    1. [初出の実例]「広縁若被略者、懸造石蔵等今一重は可略之間、莫太可為御公平由申入間」(出典:満済准后日記‐永享六年(1434)九月一九日)

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