1948年6月28日に起きた福井県北部を震源とするマグニチュード(M)7・1の直下型地震。発生時刻は当時導入していたサマータイムで午後5時13分、現在の同4時13分とされる。この時の区分は震度6までしかなかったが、福井地震での建物被害の大きさから気象庁は階級を見直し、49年に震度7を新たに設定した。福井、石川両県で死者が出て、けが人は約2万人に上った。福井市では45年7月に米軍による空襲があり、地震の翌月には集中豪雨による水害で同市の総面積の約6割が浸水した。これらの復興になぞらえ、福井市は不死鳥を市のシンボルとした。
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1948年6月28日福井平野に起こった大地震(マグニチュード7.3)で,この地方に死者3895人,負傷者2万2203人,家屋の全壊3万6184,半壊1万1816という大きな被害を生じた。家屋,施設,鉄道,橋梁,堤防などの被害は福井平野の南北40km,東西12kmの狭い範囲に集中したが,これはこの地域が厚い沖積層に覆われていたために震動が大きかった(最大震度6)のが原因である。地震直後に大火が起こり,3851戸の家屋が焼失した。また福井平野のいたるところで無数の地割れや亀裂を生じたが,農作業中の女性1人が1mあまり開口した地割れにはさまれ,地震直後これが閉じてしまったために死亡したというきわめてまれな事件が報告されている。
地震に伴って,いたるところで泥水の噴出があったほか,地震の前後で井戸水や地下水に変化が見られた。この地震は,長さ25~30km,幅(深さ)約13kmの福井平野東部をほぼ南北に走る潜在断層が約2mにおよぶ左横ずれ運動を起こしたために発生したと考えられており,断層の破壊はこの断層のほぼ中心の福井市北北東約10kmの丸岡町(現,坂井市)付近から始まり,北と南の両方向へ約2.3km/sの速度で伝わったと考えられる。この地震断層は1891年の濃尾地震の際に動いた根尾谷断層系の北方への延長部にあたる。現在,この地震断層に沿ってなお微小地震が発生しており,これは福井地震の余震と考えられる。
執筆者:三雲 健
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1948年(昭和23)6月28日16時13分ごろ、福井平野に発生した地震。規模はM7.3、震源の深さはきわめて浅く、0キロメートル、死者3892人、家屋全壊3万5420、半壊1万1816、福井平野の中央部では家屋全壊率100%の所が多く、この地震の経験から気象庁震度階級にⅦが生まれた。震動は激しく、家屋は5~15秒くらいの間に倒壊した。各地で火災が発生し3851戸が焼失した。目に見える断層は生じなかったが、精密測量の結果、福井平野の東縁に北北西―南南東方向の長さ25キロメートルの断層(東側が西側に対し約70センチメートル隆起)がみいだされた。
[宇佐美龍夫]
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