福井地震(読み)ふくいじしん

精選版 日本国語大辞典 「福井地震」の意味・読み・例文・類語

ふくい‐じしん フクゐヂシン【福井地震】

昭和二三年(一九四八)六月二八日に発生した、福井県北部を震源とするマグニチュード七・三の地震。福井では最大震度六に達した。死者三八九二人、倒壊家屋三万五四二〇戸。

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デジタル大辞泉 「福井地震」の意味・読み・例文・類語

ふくい‐じしん〔フクゐヂシン〕【福井地震】

昭和23年(1948)6月28日福井平野に発生したマグニチュード7.1の地震。直下型地震で、被害は福井平野とその周辺に限られた。死者3769人。家屋全壊3万6184戸。

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改訂新版 世界大百科事典 「福井地震」の意味・わかりやすい解説

福井地震 (ふくいじしん)

1948年6月28日福井平野に起こった大地震(マグニチュード7.3)で,この地方に死者3895人,負傷者2万2203人,家屋の全壊3万6184,半壊1万1816という大きな被害を生じた。家屋,施設,鉄道,橋梁,堤防などの被害は福井平野の南北40km,東西12kmの狭い範囲に集中したが,これはこの地域が厚い沖積層に覆われていたために震動が大きかった(最大震度6)のが原因である。地震直後に大火が起こり,3851戸の家屋が焼失した。また福井平野のいたるところで無数の地割れ亀裂を生じたが,農作業中の女性1人が1mあまり開口した地割れにはさまれ,地震直後これが閉じてしまったために死亡したというきわめてまれな事件が報告されている。

 地震に伴って,いたるところで泥水噴出があったほか,地震の前後井戸水地下水に変化が見られた。この地震は,長さ25~30km,幅(深さ)約13kmの福井平野東部をほぼ南北に走る潜在断層が約2mにおよぶ左横ずれ運動を起こしたために発生したと考えられており,断層の破壊はこの断層のほぼ中心の福井市北北東約10kmの丸岡町(現,坂井市)付近から始まり,北と南の両方向へ約2.3km/sの速度で伝わったと考えられる。この地震断層は1891年の濃尾地震の際に動いた根尾谷断層系の北方への延長部にあたる。現在,この地震断層に沿ってなお微小地震が発生しており,これは福井地震の余震と考えられる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福井地震」の意味・わかりやすい解説

福井地震
ふくいじしん

1948年6月28日午後4時13分,福井地方に発生したマグニチュードM)7.1の大地震。震源地は九頭竜川下流の福井平野の地下で,震央は北緯 36°10′,東経 136°17′。福井市およびその周辺の町村の家屋倒壊 3万6184戸,半壊 1万1816戸,焼失 3851戸,死者は 3769人に達した。この地震によって,地表には現れなかったが,北より 20°西に走行する長さ 30~40kmの左ずれ水平断層が生じたと推定されている。

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百科事典マイペディア 「福井地震」の意味・わかりやすい解説

福井地震【ふくいじしん】

1948年6月28日福井平野に起こった地震。震源は平野中央部の比較的浅い所。マグニチュード7.1。水準測量により北微西の方向に落差50〜60cmの断層が発見された。福井平野東部を走る潜在断層(根尾谷断層系の延長部)が約2mの左横ずれ運動を起こしたために発生したと考えられている。福井市内に火災を起こした。死者3769,家屋全壊3万6184,半壊1万1816,焼失3851。
→関連項目地震保険福井[市]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「福井地震」の意味・わかりやすい解説

福井地震
ふくいじしん

1948年(昭和23)6月28日16時13分ごろ、福井平野に発生した地震。規模はM7.3、震源の深さはきわめて浅く、0キロメートル、死者3892人、家屋全壊3万5420、半壊1万1816、福井平野の中央部では家屋全壊率100%の所が多く、この地震の経験から気象庁震度階級にⅦが生まれた。震動は激しく、家屋は5~15秒くらいの間に倒壊した。各地で火災が発生し3851戸が焼失した。目に見える断層は生じなかったが、精密測量の結果、福井平野の東縁に北北西―南南東方向の長さ25キロメートルの断層(東側が西側に対し約70センチメートル隆起)がみいだされた。

[宇佐美龍夫]

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