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明治時代の外交官、官僚政治家。子爵。長州藩出身。天保(てんぽう)15年1月15日医師三浦玄仲の長男に生まれ、のち蘭方医(らんぽうい)青木研蔵の養子となる。長崎で医学を修め、藩命によりプロイセンに留学、1873年(明治6)外務一等書記官心得となり翌年帰国、本省勤務を経て駐独公使を務める。1885年以降外務大輔(たいふ)、次官を歴任、条約改正交渉を担当する一方、1887年地方制度編纂(へんさん)委員に任命された。1889年には第一次山県有朋(やまがたありとも)内閣の外相に就任、大隈重信(おおくましげのぶ)前外相が激しい反対運動のため失敗した後を受け対等主義による条約改正交渉に着手した。松方正義(まつかたまさよし)内閣にも留任して交渉を継続したが、1891年大津事件の責任を負って辞任。翌年ふたたびドイツ公使となり、イギリス公使を兼任して条約改正交渉を進め1894年日英通商航海条約の調印に成功した。しかし三国干渉に際してドイツの動向を見誤ったとして政界一部の批判を招いた。1898年には第二次山県内閣の外相に就任、義和団事件に対する出兵外交を担当するとともに、朝鮮への侵略政策を画策するが、内閣総辞職で実現しなかった。枢密顧問官を経て1906年(明治39)駐米大使となり、日本人移民問題などの処理にあたった。ドイツ貴族の娘を妻とし、親独派で長州藩閥系の外交官として独自な地位にあった。大正3年2月16日死去。
[宇野俊一]
『『青木周蔵自伝』(1970・平凡社)』
(酒田正敏)
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明治時代の外交官。長州藩出身,同藩医青木研蔵の養子。1868年ドイツに留学,のち公・大使を含め23ヵ年のドイツ滞在歴をもち,ドイツの諸制度の日本への移植に尽力した。86年井上馨外相のもとで次官,ついで山県有朋,松方正義内閣の外相として条約改正につとめたが,91年5月大津事件の責任を負って辞職した。93年駐英公使に転じ,日清戦争開戦直前に対英条約改正に成功,98年帰国,山県内閣の外相として義和団の鎮圧に関与,のち駐米大使,枢密顧問官などを歴任した。
執筆者:中塚 明
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1844.1.15~1914.2.16
明治期の政治家・外交官。号は琴城。長門国生れ。蘭方医の子に生まれ萩藩医青木研蔵の養子となる。維新後ドイツに留学,外務省に入る。1874年(明治7)駐独公使,86年外務次官。89年第1次山県内閣の外相に就任して対等条約の実現に尽力したが,91年大津事件の突発で退任した。92年ドイツ公使兼ベルギー公使に転出し,94年駐英公使を兼ねて陸奥宗光外相の条約改正を助けた。その後,第2次山県内閣で外相,駐米大使・枢密顧問官などを歴任した。子爵。
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…一方,滋賀県知事,滋賀県警部長は懲戒免官となった。 ロシア皇太子の来日前,駐日ロシア公使シェービチは同皇太子への不敬の所業を厳罰するよう緊急勅令の公布を外務大臣青木周蔵を通じて日本政府に求めたが,青木は緊急勅令でなく皇族に関する刑法規定の準用を同公使に約言しながら公表していなかった。そこでこの国際的な約束にしばられた政府は,犯人に刑法116条の天皇,三后,皇太子への危害の条文による死刑を司法部に求めたほか,伊藤博文は戒厳令を考え,青木外相は同条を外国皇族にも適用する緊急勅令を提案したが,いずれも実行にいたらなかった。…
…改正交渉の是非が新聞・雑誌上で激論され,政府内にも反対論が広がるなかで,玄洋社員来島恒喜の大隈襲撃事件が起こり,交渉は延期された。
[改正条約の成立]
議会開設後最初の第1次山県有朋内閣の外相青木周蔵は対等条約案を列国に示した。これまで改正交渉に消極的だったイギリスはロシアの極東進出を牽制するため,日本の好意を得ようと,交渉を受け入れる姿勢を示したが,大津事件(1891)で青木は引責辞任した。…
※「青木周蔵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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