与えられた学習材料の全部または一部を暗記して、それを口述で再生すること。暗誦とも書き、そら読みともいう。江戸時代の漢学教育では、意味のわからないまま、ただ文字をたどって師匠の読むとおりに読み、それを繰り返して暗唱するという「素読(そどく)」の方法がとられていた。西欧においても19世紀なかばころまでの学校の授業形態は、もっぱら暗唱させることであった。キリスト教の教義問答、祈りの文句、聖書、ラテン語の名文章や名演説などを暗唱させていた。しかし近代になって、暗唱を主とする教科の学習法(暗唱法)は強い批判を浴びるに至った。それは、理解や思考、学習者の主体性や自発性、学習者間の共同や民主的態度、創造性や個性などが無視されているという批判であった。こうして授業形態としての暗唱法はしだいに姿を消していった。
しかし最近では、新しい意味で、暗唱の価値が見直され始めている。それは、かつての棒暗記ではなく、記憶の効果的な方法としての暗唱で、よく理解したうえでの記憶、相互関連的な記憶、機械的な反復ではない効果的な反復などを重視した暗唱である。
[大槻和夫]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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