ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソシギ」の意味・わかりやすい解説
イソシギ
Actitis hypoleucos; common sandpiper
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小型のチドリ目シギ科の鳥。ユーラシア大陸の中部で広く繁殖し,北の地域のものは,冬,アフリカ,インド,東南アジア,フィリピン,オーストラリアなどに渡る。日本では北海道,本州,九州で繁殖し,一年中見られる。川の中州,河原,湖沼の岸などにすみ,繁殖期以外には海岸や河口の干潟や入江,堤防のきわ,海岸の岩場などにもいる。全長約20cm。体の上面は灰黒褐色で黒い横斑があり,眉斑は白い。のどから胸にかけて灰褐色の縦斑が密にあり,胸以下は白い。飛ぶと翼に明りょうな白帯が出る。水ぎわを尾を上下に振りながら歩いて,動物質の餌をあさっている。飛び方は翼を浅くはばたき,けいれんするような特徴のある翼動で,岸から岸へ低く飛ぶのが特徴。ツィーリーリーと細い声で鳴く。繁殖期にはツチチッチチと鳴いて飛び回る。草の根もとを浅く掘って枯草や枯葉で皿形の巣をつくり1腹4卵を生む。抱卵日数は21~23日。
執筆者:高野 伸二
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鳥綱チドリ目シギ科の鳥。ユーラシアの中部で広く繁殖し、冬は南へ移動するものもある。日本では北海道と本州で普通に繁殖し、1980年(昭和55)熊本県、82年には宮崎県でも巣と卵が発見された。全長約20センチメートル、翼長約11センチメートル。体の上面は灰黒褐色で細かい黒色の斑(はん)があり、眉斑(びはん)は白い。顔、頸(くび)、胸には灰褐色の縦斑があり腹部は白い。飛ぶと翼に白帯が出る。繁殖期には内陸の川岸や湖岸にすみ、非繁殖期には海岸の入り江、磯(いそ)、防波堤のすそなどにも姿をみせる。水際の地上を尾を上下に振りながら歩いて、動物質の餌(えさ)をあさる。翼をけいれんさせるように浅く羽ばたいて岸から岸へ低く飛ぶことが多く、ツィーリーリーと細い声を発する。繁殖期にはツチチ、ツチチと鳴きながら飛び回る。草の根元に浅いへこみをつくり枯れ草を敷いて巣とし、4個の卵を産む。雛(ひな)は綿羽に覆われ、孵化(ふか)してまもなく巣を離れる。
[高野伸二]
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