ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コチドリ」の意味・わかりやすい解説
コチドリ
Charadrius dubius; little ringed plover
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白と黒の模様のはっきりした小型のチドリ科の鳥。ユーラシア大陸の中部および南部,北アフリカ,サハリン,日本,フィリピン,ニューギニアなどで繁殖し,北の地方のものは冬,南へ移動する。日本ではおもに夏鳥であるが,近年は越冬例が多くなった。河原,湖岸,海岸,干拓地,入江,造成地などにすむ。全長約16cm。日本のチドリ類の中ではいちばん小さい。体の上面は砂褐色,額や顔には白と黒の斑紋があり,胸には黒い帯があり,腹は白い。くちばしは短くて黒く,脚は黄色。地上をすばやく歩いては餌をとり,また歩くという動作を繰り返す。餌は小型の動物質。湿った土を片脚をふるわせるようにしてたたき,餌をついばむこともある。地上にへこみをつくり,小石や木切れを敷いて1腹4個の卵を産む。雛は綿羽に包まれ,かえってまもなく巣を離れる。小さな雛を連れた親鳥は擬傷動作を行う。ピオピオと鳴く。
執筆者:高野 伸二
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鳥綱チドリ目チドリ科の鳥。全長16センチメートル。上面は褐色で下面は白色。顔は白地に、黒い過眼線と頭上を通って目と目を結ぶ黒線があり、目の周囲は細く黄色。嘴(くちばし)は黒色で短め。胸に黒帯がある。ユーラシアに広く分布、繁殖している。日本では夏鳥で、離島を除いてほぼ全国で繁殖している。冬には東南アジアまで渡る。湖沼畔や中流以下の川原、地肌の出た荒れ地などで繁殖する。地面のへこみに小石、貝殻片、木片などを敷いて4卵を産み、25日前後抱卵する。卵には褐色小斑(しょうはん)が散在し、地面の小石と見違えられるため、みつかりにくい。水田や湿地、川の泥地で採餌(さいじ)し、ミミズ類や昆虫類などを食べる。繁殖期以外は群れでいることが多い。
[柳澤紀夫]
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