ざらり(読み)ザラリ

デジタル大辞泉 「ざらり」の意味・読み・例文・類語

ざらり

[副]
粒状などの固く小さいものが一度に落ちたり触れ合ったりして発する音を表す語。ざらざら。「硬貨ざらりと袋に入れる」
物の表面がなめらかでなく、手触りが粗く感じられるさま。ざらっ。「ざらりとした感じの紙」
束ねたものが勢いよく一遍に解けて乱れるさま。
元結もとゆいはじけて髪―と解け」〈木下尚江良人の自白
いろいろのものが並んでいるさま。ずらり。
ちゃぶ台には煮豆数の子蜜柑酢章魚すだこという風なものが―と並べてある」〈独歩巡査
ひととおり。ひとわたり。ざっと。
「―と聞いて合点して」〈浮・一代女・四〉
[類語](1)(2しゃらしゃらしゃりしゃりじゃりじゃりざりざりざらざらがりがりぷちぷちぶつぶつつぶつぶぼつぼついぼいぼざらつくざりざりじゃらじゃら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ざらり」の意味・読み・例文・類語

ざらり

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
小銭とか、じゃりなどのようなものが一度に落ちたり、互いに擦れあったりしてたてる音を表わす語。
謡曲蘆刈(1430頃)「あなたへざらり、こなたへざらり〈略〉風の上げたる、古簾」
物事を一気にするさまを表わす語。すらり。
※玉塵抄(1563)一二「李義山が詩しぶってざらりとないぞ。渋(じう)体と玉屑に評したぞ」
③ 残るところのないさまを表わす語。すっかり。ことごとく。残らず。
浮世草子・好色一代女(1686)四「万事を底たたいて語ける。ざらりと聞て合点して」
④ まとまりなくあたりいっぱいにあるさまを表わす語。また、たくさん並び連なるさまを表わす語。
※謡曲・安宅(1516頃)「この山陰のひと宿りに、さらりと円居して」
⑤ なめらかでないさま、ざらついているさまを表わす語。
※滑稽本・七偏人(1857‐63)五「指先へ、ざらりと障るはから紙の引手の穴ゆゑ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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