チタ(読み)ちた(英語表記)Чита/Chita

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ
Chita

ロシア中東部,東シベリア南部の旧州域。南部に旧アガブリヤート自治管区を含む。中心地チタ。2008年チタ州とアガブリヤート自治管区が統合してザバイカリスキー地方となった。ザバイカリエにあり,南はモンゴルに,南東は中国に接して位置する。大部分が起伏に富んだ山地,丘陵地帯で,ヤブロノブイ山脈をはじめとする多数の山脈が連なる。北部はレナ川上流域,中・南部はアムール川源流域に属する。大陸性気候で,1月の平均気温-33~-26℃,7月は 17~21℃。年降水量 250~400mm。大部分が針葉樹林地帯に入るが,南部に森林ステップ,ステップ地帯がみられる。鉱物資源に恵まれ,金,スズタングステンモリブデン,鉛,亜鉛,石炭などを埋蔵し,鉱工業はそれらの採掘と 1次加工を中心に,鉄鋼,機械,製材,食品,皮革毛皮などが主要部門である。農業は牧羊が中心で,トナカイ,キツネ,リスなどの飼養も行なわれる。主要交通路は中央部を東西に通るシベリア横断鉄道で,チタの南東で中国方面へ通じる路線が分岐する。南東部では道路網が比較的発達している。

チタ
Chita

ロシア中東部,東シベリア南部,ザバイカリスキー地方の行政中心地。旧チタ州の州都であった。ウランウデと並ぶザバイカリエの中心都市で,アムール川水系のインゴダ川にチタ川が合流する地点に位置する。1653年コサックの冬営所が設けられたことに始まり,1690年要塞が築かれ,中国との交易で栄えた。1825年12月の蜂起に失敗したのち,この地に流刑にされたデカブリストが市の繁栄に貢献,1900年シベリア横断鉄道が通じてから急速に発展した。機関車・鉄道車両修理,機械,木材加工,食品,皮革・毛皮などの工業があり,繊維コンビナート,自動車工場も建設されている。また近郊に炭田があり採炭が盛ん。医科,教育の各大学がある。シベリア鉄道の主要駅があるとともに,国際空港があり,ロシア各地と結ばれている。人口 32万3964(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チタ」の意味・わかりやすい解説

チタ
ちた
Чита/Chita

ロシア連邦中部、チタ州の州都。ザバイカル(バイカル湖東部)のインゴダ川に支流チタ川が合流する地点にある。シベリア鉄道に沿い、自動車道の中心で空港もあり、交通の要地。人口31万4300(1999)。付近で褐炭を産し、機械製造(自動車組立て、工作機、機関車・車両修理)、軽工業(家具・木工毛織物、皮革・履き物、毛皮)、食料品(製粉、精肉、乳業)などの工業がある。起源は1653年建設の冬営所で、1690年に村となり、99年に柵(さく)(要塞(ようさい))が建設され、そこへ1827年デカブリストが流刑された。1851年に市となり、1900年にザバイカル鉄道が開通。1920~22年の間は極東共和国の首都。

[三上正利]

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