翻訳|snack
英語の原義は〈ジャガイモやトウモロコシを主材料にして塩味を効かせた袋菓子〉のことで,ポテトチップスやポップコーンなどがこれに該当する。それが転じて,アメリカで発達した〈軽い食事をすばやく食べる食事形式〉を意味するようになり,さらに,そうした食事を,カウンターに腰掛けたり,立食いでごく簡単にすませる軽食堂(スナックバー)を意味するようになった。また1964年以降の日本では,それは夜の盛り場に軒を並べる酒場の主流を占める一形式を指示する言葉として一般的に使用されるようにもなった。これは当時,オリンピックの開催を前に,都条例が風俗営業店における深夜の酒類販売を禁止したころから,バーをはじめとする酒場が,保健所の許可だけで営業できる飲食店に,たてまえ上業態を変更し,店名に〈スナック〇〇〉と冠して,事実上は従来とほとんどおなじ営業を展開したことに由来する。以来,スナックは昭和40年代に全国的に急増し,酒場といえばスナックを連想するほどに一般化した。なお1973年に発生した石油危機以後は,カラオケと呼ばれる歌の伴奏用テープが急速にスナックに普及し,それに合わせてしろうとの客が,エコーの効いたマイクで陶然と歌をうたう風景が一般化するようになった。
執筆者:加藤 秀俊
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原義は一口、少量、簡単な食事をとるという意味。スナック食品の略で、ポテトチップス、ポップコーンなど塩味のつまみ風の一口食べ物をさすとともに、英米では簡易食堂をさすスナック・バーsnack barの略称でもある。日本のスナック・バーは大別して喫茶、食堂、酒場の3種があり、どれもおおむねカウンター式構造で客が気楽に利用できること、客席での接待は禁じられているかわり、風俗営業等取締法の適用を受けず、保健所の許可だけで営業でき、風俗営業に比べ営業時間制限が緩やかなことが特徴。第二次世界大戦後の米占領軍関係施設から日本への導入が始まり、1964年(昭和39)の東京オリンピック大会前の深夜営業規制強化をきっかけに、営業時間の自由なスナックは爆発的に増えた。
[森脇逸男]
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…そして,そこではむしろバーテンダーは脇役にまわり,ママやホステスが顧客接待の主役となった。なお,その後,1964年の東京オリンピックを契機として厳しくなった風俗営業に対する規制と取締りをのがれるために,少なからざるバーが,主として昭和40年代に,業態を飲食店の営業許可だけで開業できるスナックに転換して,今日に至っている。【高田 公理】【鈴木 晋一】。…
※「スナック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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