割烹(読み)カッポウ

デジタル大辞泉 「割烹」の意味・読み・例文・類語

かっ‐ぽう〔‐パウ〕【割×烹】

《肉をいてる意から》食物調理すること。ふつう日本料理にいう。料理。
割烹店」に同じ。
[類語](1料理調理煮炊き炊事クッキングさいおかずぜん膳部食膳馳走ちそう佳肴かこう酒肴しゅこう調味ディッシュ/(2酒場飲み屋居酒屋縄暖簾ビヤホールビヤガーデンパブスナッククラブキャバレーバーレストラン料亭料理屋食堂飲食店飯屋喫茶店菜館飯店茶房茶店割烹店酒場パーラーグリルカフェテリア

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精選版 日本国語大辞典 「割烹」の意味・読み・例文・類語

かっ‐ぽう‥パウ【割烹・割亨】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「割」はさく、「烹」「亨」は煮るの意 )
  2. 食物の調理をすること。料理。
    1. [初出の実例]「酪を飲み肉を吃して割烹(カッホウ)の法未だ整はざる」(出典:明治月刊(1868)〈大阪府編〉二)
    2. [その他の文献]〔周礼‐天官・内
  3. かっぽうてん(割烹店)
    1. [初出の実例]「割烹(カッポウ)或は劇場の属(たぐひ)まで漸々(だんだん)に造立して」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈条野有人〉初)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「割烹」の意味・わかりやすい解説

割烹
かっぽう

食物を調理すること。割烹と料理はほぼ同じ意に用いられているが、割烹は日本古代の文献に出ていることばで、中国から伝わったもの。割烹の割と烹は、一字ずつ別の意味をもっている。割は「サク」と訓じ、食品材料を下ごしらえまたは食べよくするだけの処理をして、なまのまま食べられる料理をいう。烹は加熱して味つけしたものをいう。日本料理では、刺身、洗い、酢の物塩辛、練りうに、このわたなど、なまのまま用いる料理と、焼き物煮物、蒸し物など加熱した料理がいっしょになったものを割烹というのである。割烹ということばは『日本書紀』では「ナマスツクル」と読んでおり、また、割鮮ということばも用いられ「アザラケキヲサク」と読んでいる。明治・大正の時代には割烹店という名称が多く使われ、割烹学校の名も出ている。割烹着は女性用のものをいい、男性用は割烹服という。現在、割烹ということばは、烹の字が常用漢字にないせいか、料理に比べて使用度が低くなっている。

多田鉄之助

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普及版 字通 「割烹」の読み・字形・画数・意味

【割烹】かつぽう(ぱう)

肉を切り、料理する。〔孟子、万章上〕伊尹(いゐん)、烹を以て湯(王)に(もと)む。

字通「割」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の割烹の言及

【中国料理】より

…料理は神や祖先への供物として祭祀に占める役割は非常に大きかったのである。 《周礼(しゆらい)》天官に〈割烹〉の語がみえるが,各種材料を切り,煮合わせる意で料理を指す。この語からもわかるように後世の中国料理がもっとも得意とする〈炒〉の技法はまだない。…

【料理人】より

…以下,この項では中国,日本,ヨーロッパに分けて,料理人の職掌やその歴史などについて略述する。料理
[中国]
 肉を割きこれを烹(に)る意味から引伸した割烹(かつぽう)の語は,料理を意味する例として烹飪(ほうじん)の語とともに先秦の文献にすでに使われている。料理人などにあたる中国語で現代もっとも一般的なのは,厨師(ちゆうし)または厨子である。…

※「割烹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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