ブラッグ曲線(読み)ブラッグキョクセン

デジタル大辞泉 「ブラッグ曲線」の意味・読み・例文・類語

ブラッグ‐きょくせん【ブラッグ曲線】

荷電粒子物質中を透過する際に周囲に及ぼす電離作用の強さを縦軸に、透過距離横軸にとり、その関係を示した曲線電磁波であるX線γガンマが徐々にエネルギーを失っていくのと異なり、陽子線αアルファなどの粒子線はある一定の距離を進んで急激に運動エネルギーを失って停止し、周囲の物質に対して強い電離作用を及ぼすことがわかる。この性質から粒子線治療に利用される。

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化学辞典 第2版 「ブラッグ曲線」の解説

ブラッグ曲線
ブラッグキョクセン
Bragg curve

荷電粒子の物質中の飛跡にそって,単位長さ当たりにその粒子が失うエネルギー(エネルギー損失阻止能)を粒子の飛程に対して示した曲線.エネルギー損失は,その粒子の質量速度に反比例するので,重イオン,たとえばα粒子のエネルギー損失は電子に比べてはるかに大きい.飛程の終点近くになると速度が減少するので,損失は急激に増加してピーク値(ブラッグピーク)に達する.陽子線,あるいは重イオンビームによるがん治療は,これを利用して患部以外への放射線照射を低減することによって,望ましくない副作用を最小にして治療効果を上げている.[別用語参照]医療用加速器

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「ブラッグ曲線」の解説

ブラッグ曲線【Bragg curve】

放射線が物質を通過する際に,その飛跡に沿ってイオン化を起こすが,その単位長さ当たりのイオン化数(比電離)を飛程の残存距離(つまり停止に至るまでの距離)を横軸にとってプロットして描かれる曲線.「電離曲線」ともいう.放射線のエネルギーと比電離との関係を示した曲線ともいえる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラッグ曲線」の意味・わかりやすい解説

ブラッグ曲線
ブラッグきょくせん
Bragg curve

ある核種から放出されるα粒子の電離作用の強さと飛程との関係を示す曲線。 1907年 W.ブラッグが初めて実験的に描いた。

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