アミノ安息香酸(読み)アミノアンソクコウサン

化学辞典 第2版「アミノ安息香酸」の解説

アミノ安息香酸
アミノアンソクコウサン
aminobenzoic acid

C7H7NO2(137.14).H2NC6H4COOH.o-,m-,p-アミノ安息香酸の3種類の異性体があるが,o-アミノ安息香酸は,普通,アントラニル酸とよばれる.【m-アミノ安息香酸:3-アミノ無水フタル酸を酸と加熱すると,カルボキシル基一つが脱離して生じる.結晶.融点174 ℃.水に難溶.無機酸と可溶性の塩をつくる.[CAS 99-05-8]【p-アミノ安息香酸:ビタミンB複合体の一つとして天然に広く分布している.p-ニトロ安息香酸を還元して合成される.赤色の結晶.融点187 ℃.水に難溶(1 g/水170 mL,25 ℃).pKa 4.65~4.80.この化合物のエステルにはアネステシン,プロカインなど局所麻酔剤として知られているものが多い.そのほか染料の合成中間体としても使われる.[CAS 150-13-0]

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日本大百科全書(ニッポニカ)「アミノ安息香酸」の解説

アミノ安息香酸
あみのあんそくこうさん
aminobenzoic acid

芳香族アミノ酸の一つ。アミノ基-NH2とカルボキシ基-COOHの置換位置により、o(オルト)、m(メタ)、p(パラ)の3種の異性体があるが、m置換体はさほど重要でない。o置換体はアントラニル酸とよばれる。

[山本 学]

p-アミノ安息香酸

抗白毛症因子ともいう。ビタミンB複合体の一つとして天然に存在している。淡黄色の結晶。p-ニトロ安息香酸を、鉄と塩酸で還元して得る。水、エタノール(エチルアルコール)、エーテルに可溶。合成染料の中間体となるほか、薬用化粧品、日焼け止めなどの医薬品の合成原料となる。この化合物のエステルには、局所麻酔薬として知られているものが多い。

[山本 学]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「アミノ安息香酸」の解説

アミノ安息香酸
アミノあんそくこうさん
amino benzoic acid

化学式 C6H4(NH2)(COOH) 。置換基の相互位置によって次の3異性体がある。 (1) o -アミノ安息香酸 アントラニル酸の別称。 (2) m -アミノ安息香酸 融点 174℃。冷水に難溶,エチルアルコール,エーテルに可溶。染色中間体として利用できる。 (3) p -アミノ安息香酸 微生物の成長に必要な因子。ビタミンB 群の一員として知られ,葉酸の構成成分である。融点 186~187℃の結晶。水,エチルアルコール,エーテルに可溶。ネズミにビタミンB群欠乏食を与えるとき現れる毛髪の灰色化を防止するので,ネズミの抗白毛症因子と呼ばれる。また乳酸菌発育に必要なことから,その発育因子ビタミン Bx とかビタミン H' とも呼ばれたことがある。工業的には染料中間体となる。

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百科事典マイペディア「アミノ安息香酸」の解説

アミノ安息香酸【アミノあんそくこうさん】

化学式はC6H4(NH2)(COOH)。最も簡単な芳香族アミノカルボン酸。o‐,m‐,p‐の3種の異性体がある。o‐アミノ安息香酸はアントラニル酸という。m‐アミノ安息香酸は融点177.9℃,水に難溶,有機溶媒に可溶。アゾ染料の中間体として用いられる。p‐アミノ安息香酸は黄色の結晶で,融点186〜187℃。熱水,エタノールなどに可溶。微生物の発育に関するビタミンとしての作用がある。直接染料の中間体として用いられ,またN‐アルキル誘導体のエチルエステル類は局所麻酔剤。(図)

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世界大百科事典 第2版「アミノ安息香酸」の解説

アミノあんそくこうさん【アミノ安息香酸 aminobenzoic acid】

(化学式)最も簡単な芳香族アミノカルボン酸。o‐,m‐,p‐の3種の異性体がある。
o‐アミノ安息香酸]
 アントラニル酸別名
m‐アミノ安息香酸]
 3種の異性体中それほど重要ではない。融点177.9℃,冷水にわずかに溶け,水溶液は空気中で褐色に変わる。
p‐アミノ安息香酸]
 融点187~187.5℃,熱水,アルコール,エーテルに溶ける。純品は無色であるが,空気または光により黄変し,ときには黄赤色を呈するに至る。

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