インコ(英語表記)Psittacidae; true parrots

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インコ」の意味・わかりやすい解説

インコ
Psittacidae; true parrots

インコ目インコ科の鳥の総称。約 360種からなる。オウム科の鳥とは外見が似ていて,分類上では論争もあるが,明白に異なる点もある。コンゴウインコ類のように大型の仲間もいるが,オウム科の鳥と比べると小型の種が多く,頭上に冠羽(→羽冠)がない。頭蓋骨もやや異なり,上嘴(→)が可動する。鳴管が発達していて,人間の音声をまねることができる。また,知能も高く,ヨウムなどは単語をいくつか組み合わせて意図した文をつくることが知られている。羽毛には光を散乱させる構造が発達し,それにより鮮やかな色彩を放つ種が多い。ほとんどの種が熱帯亜熱帯に生息し,中央アメリカ南アメリカアフリカサハラ砂漠周辺,南アジアから東南アジアオーストラリアポリネシアと世界中に分布する。生息環境も熱帯雨林から砂漠地帯まで多様である。

インコ
Inco Ltd.

カナダの世界最大のニッケル精錬メーカー。1916年インターナショナル・ニッケルとして設立,その後国内関連企業の買収合併を重ねた。1919年インターナショナル・ニッケル・カンパニー・オブ・カナダの略称 INCOを社名に使用し始める。国内に鉱山を複数もち,ニッケルでは世界市場の約 3割を支配,そのほか銅,貴金属,鉄,ニッケル合金も手がけた。1974年にはアメリカ合衆国の自動車用バッテリーのトップメーカー ESBを買収,1976年からインドネシアで進めていたニッケル開発プロジェクトが 1977年に生産を開始したほか,グアテマラに精錬工場を建設した。2006年ブラジルの企業ヴァーレに買収された。

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百科事典マイペディア 「インコ」の意味・わかりやすい解説

インコ

オウム科の鳥の一群の総称。種類が多い。一般には尾の長いものをインコ,短いものをオウムと呼ぶが厳密な分類ではなく,ボタンインコ類は尾が短い。温熱帯性で,ニューギニア,オーストラリア,アフリカ,中南米,東南アジアに分布。曲がった太いくちばしで果物や木の実を食べるが,花の蜜を好む種もある。木の穴を巣とし,白色球形の卵を産む。色彩が美しく,また人語をまねるものもあり,よく飼われる。セキセイインコ,コンゴウインコなどが有名。フクロウオウムおよびキジインコは国際保護鳥に指定されており,北米カロライナインコは絶滅鳥として知られる。日本には分布しないが,野生化したワカケホンセイインコが東京南部で繁殖している。
→関連項目オウム

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