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ウメ(梅) ウメPrunus mume; Japanese plum tree

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウメ(梅)
ウメ
Prunus mume; Japanese plum tree

バラ科の落葉小高木で,中国江南地方の原産。日本では古くから各地で栽培され,九州には野生状態の原種があるともいわれる。木の高さは 6mに達し,よく分枝し,樹皮は硬い。早春,葉に先立ってほとんど無柄の花を開く。花は白または淡紅色で直径1~3cm,芳香がある。萼片,花弁ともに5枚で,中に多数のおしべと1本のめしべがある。核果はほぼ球形で一方に浅い溝があり,梅雨の頃に黄色に熟する。果実の表面にはちぢれた毛を密生し,果肉は酸味が強く,中に1個の核を含む。果実で梅干,梅酢,梅酒などを造り,また加工して甘露梅や梅ようかんなどの菓子をつくる。未熟の青梅にはアミグダリンが含まれ,食べるとこれが分解されて青酸を生じ,中毒するといわれる。材は緻密で堅く,床柱,箱類,彫刻その他の細工物に使われる。樹皮と材はともに梅皮 (うめかわ) といい,染料に用いられる。加賀の梅染や沖縄の梅染は古くから有名である。ウメの花の観賞は万葉の昔から盛んで,水戸の偕楽園,京都の北野天満宮,福岡県の太宰府天満宮などは有名である。

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百科事典マイペディアの解説

ウメ(梅)【ウメ】

中国原産のバラ科の落葉小高木で,九州には野生があるという。初春,葉に先だって香り高く咲く花は万葉以来愛されてきた。葉は楕円形〜卵形,花は前年の枝の葉腋に1〜3個ついてほとんど柄がなく,径2〜2.5cm,白色〜紅色,花弁は5枚が基本である。
→関連項目万葉植物

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世界大百科事典 第2版の解説

ウメ【ウメ(梅) Japanese apricot】

中国原産の落葉小高木で,バラ科サクラ属のウメ亜属に分類される(イラスト)。ムメともいう。中国文化とともに薬木として渡来したもので,奈良時代以前にはすでに植栽され,《万葉集》には多く詠まれていたし,紫宸殿(ししんでん)の前庭に植えられていたが,947年(天暦1)のころにはサクラと替わった。また《万葉集》にウメが詠まれた歌が,鎌倉時代の《新古今和歌集》では,本歌取りでサクラに替えた例があり,ウメからサクラへと日本人の好みの変化が起こったらしい。

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世界大百科事典内のウメ(梅)の言及

【天神信仰】より

…天神は地祇(ちぎ)とならび称せられ,前者は天界にいる神と信じられた。養老神祇令では神祇官が天神地祇をまつると規定しており,令の注釈を集成した《令集解(りようのしゆうげ)》によれば,天神とは伊勢・山城鴨・住吉および出雲国造のまつる神であるという。記紀では天つ神は国つ神と併称されている。記紀の天孫降臨の神話は,天皇制の神話上の始原を示すかたちで,天神信仰をとりこんだものである。しかし本来天の神への信仰は日本古代国家の意図によって作られた法や神話にもとづくものではなく,世界のいたるところに多様な形態で認められる。…

【花】より

… まず古代人の〈花の見かた〉から知っておきたいが,折口信夫の所説(《古代研究・民俗学篇》)にみえる〈奈良朝時代に,花を鑑賞する態度は,支那の詩文から教へられたのである〉という指摘それ自体はあくまで正しい。例えば,日本古典にウメが初登場するのは《懐風藻》においてであるが,これは中国の類書にみえる詩の表現を換骨奪胎して作りあげたものでしかなく,むしろ,このような中国の類書を下敷きにした作詩法をつうじて〈花の見かた〉そのものを学習したというのが真実相であろう。 また,モモが幽冥界の鬼を追っ払うほどの呪力(じゆりよく)をもつとされたり(《古事記》上巻),ハチスの花が美女および恋愛を連想させたり(《古事記》下巻),キクが宮廷特権階級の地位保全を約束するユートピアの花として信仰されたり(《懐風藻》長屋王作品ほか),ヤナギの枝が死者との交霊や農業予祝儀礼のための祭祀用具に用いられたり(《万葉集》),タケが呪具=祭具として用いられたほか,皇子・大宮人の枕詞として使われたりする(《万葉集》)。…

【有毒植物】より

ドクゼリに含まれるシクトキシンも同様の作用を発揮する。バラ科のアンズ,ウメ,モモなどの種子はアミグダリン,マメ科のライマメ,イネ科植物などはリナマリンなどの青酸配糖体を含有し,腸内細菌の働きで青酸を遊離する結果,チトクロム酸化酵素の活性を阻害し呼吸を止めてしまう。 以上のような有毒植物に対しワラビのプタキロサイドやソテツのサイカシンなどにはいずれも,長期の摂取による発癌性が認められている。…

※「ウメ(梅)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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