オネガ湖(読み)オネガコ(その他表記)ozero Onezhskoe

デジタル大辞泉 「オネガ湖」の意味・読み・例文・類語

オネガ‐こ【オネガ湖】

Onezhskoe ozeroОнежское озеро》ロシア連邦北西部、カレリア共和国にある湖。北はビゴゼロ湖を通り白海と、西はラドガ湖を通りバルト海運河で結ばれる。面積9890平方キロメートル。西岸にカレリア自治共和国の首都ペトロザボーツク湖上キジ島が浮かぶ。紀元前5500年ごろから描かれた岩絵が多く残り、2021年、「オネガ湖と白海の岩絵群」の名称世界遺産文化遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オネガ湖」の意味・わかりやすい解説

オネガ湖
オネガこ
ozero Onezhskoe

ロシア北西部にある湖。カレリア共和国の南部に位置し,南はレニングラード州ボログダ州に囲まれる。面積 9720km2。周囲 1600km。最大水深 116m。構造盆地湖であるが,氷食作用の影響が大きく,湖岸線は複雑に屈曲し,特に北岸には北西-南東方向に延びる細長い半島と入江が入り組んでいる。南西部からスビリ川が流出し,西にあるラドガ湖に注ぎ,ネバ川となってバルト海フィンランド湾に注ぐ。11月下旬から翌年にかけて結氷するが,近年は全面凍結しない冬もある。航行,木材流送に利用され,漁業が行なわれる。南岸に沿ってボルガ=バルト水路の一部をなす運河が建設され,また北岸のポベネツからは白海と結ぶ白海=バルト海運河が開け,ロシアの水上交通に重要な役割をもつ湖となっている。湖中にあるキジ島には古い木造建築が保存されており,博物館として利用されている。沿岸主要都市は西岸のペトロザボーツクコンドポガ,北岸のメドベジエゴルスク。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オネガ湖」の意味・わかりやすい解説

オネガ湖
おねがこ
Онежское Озеро/Onezhskoe Ozero

ロシア連邦北西部、カレリア共和国にある淡水湖。英語名Lake Onega。面積約9890平方キロメートル、長さ245キロメートル、最大幅91キロメートル。サンクト・ペテルブルグ北方に広がるラドガ湖に次いでヨーロッパ第二の湖。北岸は氷食地形の影響で屈曲が著しく断崖(だんがい)が多いのに対し、南、東、西の三方の岸は砂丘と低平な湿原となっている。構造性の湖で、最深部(127メートル)の位置は湖盆の北西部にある。6~8月は水位が高く、3~4月は水位が低く、水位変動は最大190センチメートルに達する。夏季の水温は中央部で20~24℃、湖面氷結は11月に沿岸部から始まり、1月末までかかる。解氷は4月に南部から始まり、5月中旬までかかる。ビテグラ川、ボドラ川など58の河川が流入し、スビリ川が流出して西方のラドガ湖に注ぐ。湖はバルト海―ボルガ川を結ぶ水上交通路の幹線で、南岸に沿ってオネガ運河、北岸には白海バルト海運河がある。主要港は西岸のペトロザボーツク。ウグイカワカマス(シチュカ)、サケなどの漁獲がある。

[津沢正晴]

世界遺産の登録

オネガ湖に浮かぶ島々の一つキジ島には、16世紀に建てられたといわれる木造教会(18世紀に再建)をはじめ、ロシア全土から移築された木造建築があり、それらが1990年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「キジ島の木造教会」として世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「オネガ湖」の意味・わかりやすい解説

オネガ[湖]
Onezhskoe ozero

ロシア連邦北西部の湖。フィンランドと接するラドガ湖の東方約200kmにある。面積約9900km2,最深部約120m。11~5月は凍結する。アナゴ,ウグイ,サケなど漁業が盛ん。北岸のポベネツから北上して白海沿岸のベロモルスクまで,全長227kmの白海・バルト海運河がスターリン時代に完成,この湖をはさんで南のボルガ・バルト水路とつながった。
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世界大百科事典(旧版)内のオネガ湖の言及

【極北美術】より

…スカンジナビア,フィンランド,北ロシアに広く分布する,中石器時代の岩面画の総称。1848年に北ロシアのオネガ湖畔で発見されたのが最初で,その後1880年に北スウェーデンで,20世紀に入ってからノルウェー各地で続々と発見された。これらは,前6千年紀から前2千年紀中ごろにかけて狩猟・漁労民によって刻まれた北部グループ(北部・中部ノルウェー,フィンランド,北ロシア,シベリア)と,前2千年紀から紀元前後にかけてすでに青銅器を所有していた農耕・牧畜民の制作にかかる南部グループ(スウェーデン)に分けられる。…

※「オネガ湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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