ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カシラダカ」の意味・わかりやすい解説
カシラダカ
Emberiza rustica; rustic bunting
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スズメ目ホオジロ科の鳥。スズメ大で,全長約15cm。体型と色はともにホオジロに似ているが,全体に赤褐色みが強く,また冠羽がある。興奮するとこの冠羽を逆立てる。雌雄異色で,雄の夏羽は頭頂とほおが黒く,眉斑とのどは白い。胸に赤褐色のバンドがある。雌は雄より色が淡く,頭上部とほおは褐色で眉斑は淡黄色。ユーラシア大陸の高緯度地方の針葉樹林地帯で繁殖する。日本には冬鳥として渡来し,雪の少ない低地に多い。山ろくのマツ林や二次林,農耕地,水べり,低地の水田,湿地などに食物を求める。地上を移動しながら雑草の種子,イネの落穂などを食べている。小群でいるが,水田などでは数百羽の大きな群れになっていることもある。近づくとチッと鳴いて飛び立ち,近くの林ややぶに隠れるが,近くに何もないところでは上空を旋回する。冬のねぐらは山ろくや低山帯の空地の草むらで,日没直前に採食地を離れ,早朝日の出前に採食地へ向かう。春先には集まってコーラスをし,明るい美声でよくさえずる。
執筆者:中村 登流
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鳥綱スズメ目ホオジロ科の鳥。同科ホオジロ属38種中の1種。全長約15センチメートル。北ヨーロッパから東はカムチャツカ半島へかけてユーラシアの中・高緯度地帯に繁殖し、冬季はアジア中部に渡る。春になると、雄の頭頂、頭側が漆黒色、眉斑(びはん)、上頸斑(じょうけいはん)は白色となる。胸の栗(くり)色帯は顕著である。冬季の雄は頭部の黒色がなく雌に似る。頭頂の羽毛を冠状に立てる習性がある。冬季に日本の本州、四国、九州、琉球諸島(りゅうきゅうしょとう)などに滞留するカシラダカは、カムチャツカ半島、オホーツク海方面で繁殖したものと考えられる。山麓(さんろく)の里山(人里近くにあるクヌギ、ナラ、その他の雑木林、薪炭林)や草原に群生する。主として植物食であるが、昆虫も食べる。
[坂根 干]
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