百科事典マイペディア 「カニ(蟹)」の意味・わかりやすい解説 カニ(蟹)【カニ】 甲殻綱短尾類の総称。エビ,ヤドカリ類と同様,頭胸部と腹部からなるが,腹部は縮小し,筋肉も退化している。胸脚は5対,第1胸脚ははさみになって摂食,防御,攻撃などに役だつ。腹部は普通雄では幅が狭く,雌では広い。卵は雌の腹部に付着したまま発育し,ゾエア期で孵化(ふか),メガロパ期を経て成体になる。寒帯〜熱帯に広く分布するが,陸棚,岩礁,サンゴ礁にすむ種は特に多い。タカアシガニは世界最大で,はさみを広げると2〜3m,日本特産種である。最小は日本産のマメガニダマシで甲幅2.8mm。純淡水産のサワガニ,陸上生活に移りつつあるベンケイガニ,寄生性のカクレガニなど適応は広い。モクズガニは肺臓ジストマの中間宿主として有名。ガザミ,ズワイガニ,ケガニなど水産資源として重要な種類も多い。ヤシガニ,タラバガニなどはカニに似るが歩脚は3対で,ヤドカリとともに異尾類に属する。→関連項目甲殻類 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報