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カルタゴ Cartago

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カルタゴ
Cartago

コスタリカ中部の都市。同名州の州都。首都サンホセの南東約 20km,イラス火山南麓の標高約 1500mの地に位置する。 1563年スペイン人によって建設され,1823年までスペイン植民地コスタリカ地方の首都とされた。 17世紀にはたびたび市の富をねらった海賊に襲撃された。地震が多く,しばしば大きな被害を受け,1910年にはほとんど全市が倒壊。現在は周辺の人口稠密な農業地帯に産するコーヒーの集散地。市内にはコスタリカの守護神ロスアンヘレスの聖母をまつる聖堂があり,国内各地から多くの巡礼が訪れる。首都と鉄道,パンアメリカン・ハイウェーで連絡。人口2万 9771 (1991推計) 。

カルタゴ
Cartago

コロンビア西部,バイェデルカウカ州北東部の都市。首都ボゴタの西約 200km,アンデス山中の肥沃なカウカ谷にある。農業地帯の商業中心地で,タバコ,サトウキビ,コーヒー,肉牛などを集散する。 1540年に建設された古い町で,市内には副王邸などスペイン植民地時代の優れた建築物も残っている。州都カリとメデリンを結ぶ幹線道路,鉄道が通る。人口9万 2524 (1985) 。

カルタゴ
Carthago

北アフリカで最も栄えた古代都市。現チュニジアの首都チュニスの北東約 16km,地中海に突き出した三角形の半島に位置し,投錨に適した魚類豊富なチュニス湖を背に,防衛上きわめて有利な地形に恵まれていた。おそらく前 720年頃地中海に進出したフェニキア人がここに貿易都市を創設した。地名は「新しい都市」を意味する Qarthadashtに由来する。ギリシア人はカルケドン,ローマ人はフェニキア人をなまってポエニ人の町と呼んだ。フェニキア人はここを基地に大西洋沿岸地方まで船隊を派遣し,北アフリカや南部スペインでの銀の産出のほか,果実,家具,象牙を含む各種物資の貿易を 500年にわたって続け,しだいにカルタゴは勢力を蓄え,周辺の都市を支配するに及んだ。前6世紀頃からシチリア領有をめぐってギリシア諸都市と争いが生じ,前4世紀頃までシチリア戦争は続いた。さらに前3世紀頃よりシチリアにおける領土とチレニア海の制海権をめぐって3回にわたるポエニ戦争をローマと戦った。ハミルカル・バルカス,天才的な軍略を縦横に駆使したハンニバルらの将軍はローマと果敢に戦ったが,ローマの名将スキピオ・アフリカヌスに敗れ (第2次ポエニ戦争) ,カルタゴは凋落した。さらにカルタゴの復興を恐れたローマは,ついに前 146年カルタゴを全滅させ,略奪,放火によって,町は廃墟と化した (第3次ポエニ戦争) 。前 29年ローマの属州アフリカの行政中心地として再建され,かつての繁栄を取り戻し,都市および大農園には多くの公共建築物が建造され,先住民のローマ市民化も進み,皇帝を輩出するまでになった。 200年以後キリスト教が急速に広がり,アウグスチヌスら多数の神学者が活躍した。しかし4世紀末頃より衰退しはじめ,439年にはバンダル族に,553年にはビザンチン帝国に占領され,697年アラブ人によって完全に破壊された。ローマ期のものを中心とした遺構,遺跡は,1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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デジタル大辞泉の解説

カルタゴ(Cartago)

コスタリカ中部、首都サンホセの南東約20キロメートル、イラス火山山麓のカルタゴ盆地にある都市。カルタゴ県の県都。同国最古の町として知られ、守護聖母「黒いマリア像」を祭ったロスアンヘレス大聖堂がある。

カルタゴ(Carthago)

アフリカ北部、現在のチュニジアフェニキア人が建設した古代植民都市。紀元前6世紀以来繁栄したが、ローマと地中海の覇権を争い、前146年、第三次ポエニ戦争で滅亡。首都チュニス北郊にその遺跡があり、1979年、世界遺産(文化遺産)に登録された。カルタージュ

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百科事典マイペディアの解説

カルタゴ

北アフリカのフェニキア人植民市。遺跡はチュニス北郊にある。その住民をローマ人はポエニPoeniと呼んだ。伝承では前9世紀末にテュロスの植民者が建設したといわれる。
→関連項目カルタゴ遺跡サブラータの古代遺跡植民市ディドハンニバルマルタレプティス・マグナの古代遺跡

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世界大百科事典 第2版の解説

カルタゴ【Cartago】

コスタリカの中部にある都市。人口11万7004(1994)。イラス火山のふもとの,標高1439mの高原にあり,1563年にスペイン人の手によって建設された。19世紀初めに,同国の首都が置かれたこともある。これまで何度も地震の被害があったが,農産物の集散地として今なお重要な地位を占めている。日曜日に開かれる農民市場は有名で,また同市にある黒い聖母像(ラ・ネグリタ)は病気治癒の力をもつとされ,中米全域から巡礼が訪れる。

カルタゴ【Carthago】

チュニジア海岸チュニス近郊の古代都市。その名はフェニキア語のKart‐Hadasht(〈新都市〉の意)による。その国民をローマ人はポエニPoeniと呼んだ。
[歴史と社会]
 テュロスからの植民(伝承では前814)により誕生したカルタゴ市は西への海上交通の要衝を占め,良港と肥沃な後背地のゆえにシドラ湾以西,大西洋岸に至るフェニキア系植民市群の頂点に立って西地中海交易網を手中に収めた。前6世紀以降ギリシア諸市,特にフォカイアの西方植民が活発化すると,エトルリア人と結び,他のフェニキア系諸市への統制を強めつつスペイン,サルディニア,アフリカ一帯に拠点を築いて交易独占を守ろうとしたが,ギリシア,フェニキア両勢力の混在するシチリアでは泥沼の抗争を余儀なくされた。

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大辞林 第三版の解説

カルタゴ【Carthago】

紀元前九世紀頃、フェニキア人がアフリカ北部の地中海岸に建設した都市国家。紀元前六世紀頃、地中海西部を制覇したが、前146年、ポエニ戦争でローマに敗れて滅亡。チュニジアの首都チュニスの北郊にその遺跡がある。

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世界の観光地名がわかる事典の解説

カルタゴ【カルタゴ】
Carthage

チュニジアのカルタゴにある遺跡。チュニスの北北東15km、チュニス湾沿いにある都市国家遺跡で、紀元前814年にフェニキアの女王ディド(エリッサ)が建設したと伝えられている。ローマの支配を受けたため、ほとんどがローマ時代のものである。「ピュルサの丘」と呼ばれる高台がかつての都の中心で、現在は博物館が建ち、周辺には2世紀にローマのアントニヌス帝が建造した「アントニヌスの浴場」や1万人を収容したという「ローマ劇場」、軍艦が出入りしたという「カルタゴ港」、古代神を祀る墓地「トフェ」などの遺構が残っている。

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世界大百科事典内のカルタゴの言及

【ディド】より

…ギリシア・ローマ伝説で,カルタゴの創設者とされる女王。フェニキアのテュロスの王女として生まれ,巨万の富をもつ叔父シュカイオスと結婚したが,父王の死後,王位についた兄ピュグマリオンに夫を殺されたため,財宝を船に積んでリビアへ逃れた。…

【フェニキア】より

…旧約聖書中のカナン人の語源は,前14世紀の〈アマルナ文書〉などにみえるキナフKinaḫḫuであると考えられ,これは〈深紅色〉または〈赤銅色〉を意味し,この地方特産の染料の色,もしくは住民の肌の色に由来するとされる。フェニキア人という名称はギリシア語フォイニケスPhoinikes(ラテン語では主としてカルタゴ人を意味するポエニPoeni)であり,その意味はキナフと同様である。ギリシア人の伝説によると,テュロス王アゲノルAgēnōrの子の一人にフォイニクスPhoinixがい,そこからフェニキアという地名が起こったとされる。…

【ポエニ戦争】より

…ローマとフェニキア人の植民市カルタゴとの前後3次にわたる戦争。ポエニPoeniとはラテン語でフェニキア人を意味する。…

【マグリブ】より

…ここは,古くはローマ帝国時代から小麦を中心とする穀倉地帯であったし,チュニジア東部海岸,ハマメトからスファックスのいわゆるサヘル地帯は,今日に至るまでオリーブの産地として有名である。また,かつてのローマやフェニキアが建設した都市,例えばアルジェリアのシャルシャル(シェルシェル),チュニジアのウティカやカルタゴなどと同様に,カサブランカ,アルジェ,チュニスなど現在の主要都市も,多くがこの気候区に位置している。アトラス山脈の北側は,雨量も多く,高原状の土地でのオリーブ,イチジクの栽培が盛んであるが,その南側からサハラ砂漠にかけては半乾燥の高原やステップ地帯を形成する。…

【ローマ】より

…植民市(コロニア)はローマ市民権かラテン市民権(投票権なきローマ市民権)を与えられ,土着民(サムニテスも含め)も土地とローマ市民権を与えられた。
[第2期(前264‐前133)]
 西地中海の雄となったローマは,カルタゴ,東部のヘレニズム諸王国,スペイン(ヒスパニア)などとの衝突と戦争の時代に入る。まずカルタゴとは3次にわたるポエニ戦争(前264‐前241,前218‐前201,前149‐前146)を戦い,これを徹底的に破壊した。…

※「カルタゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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