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カワセミ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カワセミ

(1) Alcedo atthis; common kingfisher ブッポウソウ目カワセミ科。全長 16~20cm。羽色亜種によりやや異なる。頭上と上面は緑青色,背は鮮やかな明るい青色,眼下から耳羽,胸腹部は赤褐色。後頸の細い斑と喉は白い。体のわりに頭とが長くて大きいが,体は尾羽が短くてずんぐりしている。雄の嘴は黒いが,雌の下嘴は赤くて先端が黒い。ヨーロッパ北アフリカから東アジア東南アジアニューギニア島ソロモン諸島にかけて広く分布する。巣はおもに淡水域やそこから遠くない土手に横穴を掘ってつくり,その奥に産卵する。日本では各地の川辺,池や湖,静かな内湾などの沿岸に生息し,水中に飛び込んで魚類,水生昆虫の幼虫などをとる。各地の乱開発のため生息環境が悪化し,一時生息数が激減したが,近年では河川の浄化などにより都心でも観察されるようになった。
(2) Alcedinidae; kingfishers ブッポウソウ目カワセミ科の鳥の総称。全長 10~45cmで,約 95種からなる。嘴は体のわりに太くて長い。尾羽と脚はともに短い。羽色は白色と灰色だけの種もあるが,ほとんどの種は宝石のような鮮やかな紫色,緑色,青色など,あるいは赤色の輝きを放っている。水辺にすみ,水中に飛び込んで魚類,カエル,水生昆虫の幼虫などをとるものと,森林にすみ,地上で陸生貝類,昆虫類,両生類,小型哺乳類などをとるものとに分けられる。全世界に広く分布するが,多くはアフリカアジアオーストラリア温帯熱帯地域に分布する。日本には 8種が知られているが,ミヤコショウビンは絶滅したとされる。

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百科事典マイペディアの解説

カワセミ

カワセミ科の鳥。翼長7cm。背面るり色,腹面はくり色で,くちばしは長く,尾は短い。ユーラシア大陸中南部等で繁殖。日本では全国の川,池,湖等の水辺にすむ。杭(くい),石,木の枝等によく静止しており,急降下して魚を捕らえる。

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デジタル大辞泉プラスの解説

カワセミ

東京都公園協会が運航する水上バス。定員64名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カワセミ
かわせみ / 翡翠・魚狗
kingfisher

広義には鳥綱ブッポウソウ目カワセミ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。大形のものはショウビンともよばれる。この科Alcedinidaeの鳥は、南極大陸を除くすべての大陸に広く分布し、世界で14属90種が知られている。ヨーロッパやアメリカには各1種しかいないが、アフリカ、東南アジア、オセアニアでは種類が多い。日本では、カワセミ、ヤマセミアカショウビン、ヤマショウビン、ナンヨウショウビン、ミヤコショウビンの6種が記録されている。この科の鳥は全長14~40センチメートル、体に比べて頭が大きく、嘴(くちばし)は太くて長く、先がとがっている。尾は短いものが多いが、ニューギニアにすむラケットカワセミは、尾が長く、その先端に円い羽弁がある。金属光沢の美しい羽毛をもつものが多い。足は短く、前の3本の足指が根元で癒合している。水辺にすみ、魚を捕食するものが多いが、草原や森林にすみ、カエル、カニ、カタツムリなどを食べる種もある。土の壁に嘴で穴を掘って巣穴とするが、腐った木やシロアリの巣塔を利用する場合もある。ワライカワセミは鳴き声で知られる。
 種としてのカワセミAlcedo atthisは、日本でも留鳥として全国でみられるが、ユーラシアの中部以南、北アフリカの一部、アフリカ南部、インドネシアとオセアニアの一部に分布する。全長約17センチメートル、翼長約7.5センチメートル、頭上は暗緑色、後頸(こうけい)、背、腰は青緑色に輝き、体の下面は橙黄(とうこう)色をしている。緑色の宝石翡翠(ひすい)の名は、このカワセミの色に由来するものと思われる。嘴は黒いが、雌は下の嘴の基部が赤い。足は短くて赤色をしている。つねに川、池、沼などの近くにすみ、水の上の横枝、水の中の杭(くい)や岩に止まって魚をねらう。魚をみつけると急降下して水に飛び込み、嘴でとらえる。停空飛翔(ひしょう)をしてから飛び込む場合もある。いったん魚を飲み込むが、骨などの不消化物は小さな塊にして吐き出す。鳴き声は、チッチーと鋭い。
 繁殖期の初期になると、雄は雌に魚を与える。巣は、赤土の壁面に嘴で50~100センチメートルの深さに掘ってつくる。4~7個の白い卵を産み、抱卵日数は約20日、育雛(いくすう)日数は約25日である。
 ヤマセミCeryle lugubrisはアジア東部に分布し、日本では九州以北に留鳥としてすむ。全長約37センチメートル、日本にすむカワセミ類のなかで最大種である。体の上面は、白と黒の横縞(よこじま)で頭部に冠羽がある。下面は白く、胸部に雄は黒と黄褐色の斑(はん)、雌は黒の斑がある。山地の水量の多い渓流や湖にいて魚を捕食する。比較的高いところをゆっくりした羽ばたきで飛ぶ。カワセミと同じように、赤土の壁に巣をつくり、4~7個の卵を産む。ミヤコショウビンHalcyon miyakoensisは、1887年(明治20)2月5日に沖縄県宮古島でただ1羽採集されただけで、その後世界のどこからも発見されていないので、絶滅したと考えられている。全長約22センチメートル、頭と体の下面は橙褐色で緑色の過眼線があり、背は緑色、翼、腰、尾は青色、足は赤色をしている。ヤマショウビンは数少ない旅鳥、ナンヨウショウビンは南方からの迷行例が石垣島にある。[高野伸二]

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