キューバ鉱(読み)きゅーばこう(その他表記)cubanite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キューバ鉱」の意味・わかりやすい解説

キューバ鉱
きゅーばこう
cubanite

黄銅鉱とともに銅鉱石を形成することのある硫化鉱物正マグマ性鉱床、高温熱水鉱脈鉱床接触交代鉱床スカルン型鉱床)、変成含銅硫化鉄鉱床中などに産し、磁硫鉄鉱とも共存する。日本では京都府大江町(現、福知山(ふくちやま)市大江町)河守(こうもり)鉱山閉山)、岩手県釜石(かまいし)鉱山などが産地として有名。スモーカー深海で熱水からの沈殿物が堆積(たいせき)した煙突状の構造物)の周辺堆積物中から発見された方キューバ鉱はほぼ同一組成の等軸相であるが、同質異像関係といえるほど化学的に同一でなく、キューバ鉱より銅に乏しく鉄に富む。多くの場合、高温条件で生成された黄銅鉱との固溶体の冷却により、その離溶産物として生成され、自形斜方板状ないし細柱状。天然物を真空中で加熱すると、約250℃で方キューバ鉱相当相に転移する。命名は原産地キューバにちなむ。

加藤 昭]


キューバ鉱(データノート)
きゅーばこうでーたのーと

キューバ鉱
 英名    cubanite
 化学式   CuFe2S3
 少量成分  ―
 結晶系   斜方(直方
 硬度    3.5
 比重    4.08
 色     真鍮黄
 光沢    金属
 条痕    暗緑灰
 劈開    無。二方向に裂開
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   磁性有。2010年初めて合成された

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最新 地学事典 「キューバ鉱」の解説

キューバこう
キューバ鉱

cubanite

化学組成CuFe2S3 キューバ鉱系列の鉱物。isocubaniteと多形。直方晶系,空間群Pcmn, 格子定数a0.6467nm, b1.1117, c0.6231, 単位格子中4分子含む。真鍮~黄銅色,金属光沢,柱状~板状結晶,ラメラ状。劈開なし,硬度3.5,比重4.03~4.18(測定値),4.076(計算値)。強磁性。反射光でクリーム白色,反射多色性・反射異方性ともに強い。まだ合成されていない鉱物の一つ。高温の鉱脈鉱床・スカルン鉱床・正マグマ鉱床から,黄銅鉱・磁硫鉄鉱・閃亜鉛鉱・黄鉄鉱などとともに産出。発見地のキューバ,Barracanaoにちなみ命名。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キューバ鉱」の意味・わかりやすい解説

キューバ鉱
キューバこう
cubanite

CuFe2S3 。銅と鉄の硫化物の鉱物。斜方晶系。比重 4.03~4.18,硬度 3.5。真鍮色の柱状,板状の結晶をなす。発見地にちなんで命名された。高温型熱水性鉱床や接触交代鉱床に産する。

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