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クレーン Crane, (Harold) Hart

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クレーン
Crane, (Harold) Hart

[生]1899.7.21. オハイオ,ギャレッツビル
[没]1932.4.27. カリブ海
アメリカの詩人。少年時代から詩作に従い,大学入学準備のためニューヨークに出たが,詩人グループに加わって大学には学ばなかった。初め T.S.エリオットやフランス象徴派の影響を受けたが,処女詩集『白い建物』 White Buildings (1926) 以後,一転してホイットマンの伝統を受継ぎ,アメリカの未来に対する信念を実験的手法で歌った。これが,アメリカの過去と現在を統一するシンボルたるブルックリン橋を歌った大作『橋』 The Bridge (30) に結実する。その後コルテスとアステカ王をめぐる叙事詩を書こうとしてメキシコに旅行したが,創作上の行きづまりから帰途カリブ海で投身自殺をとげた。死後『全詩集』 (33,W.フランク編) ,『書簡集』 (52,B.ウェーバー編) が出た。

クレーン
Crane, Stephen

[生]1871.11.1. ニュージャージー,ニューアーク
[没]1900.6.5. ドイツ,バーデンワイラー
アメリカの小説家。メソジスト派牧師を父に 14人兄弟の末子として生れた。家庭のきびしい宗教的雰囲気に早くから反抗し,その反骨精神は生涯を通じて残った。早くから文筆に親しみ,8歳で短編を書きはじめ,シラキューズ大学在学中にフローベールやゾラの影響下にニューヨークのスラム街の売春婦を描いた処女作『街の女マギー』 Maggie: A Girl of the Streetsの最初の稿を書上げ,中退後書直して 1893年自費出版した。その後スケッチ風の短編を書き継ぎ,南北戦争における一兵士の心理を描いた小説『赤い勲章』 The Red Badge of Courage (1895) で国際的な名声を得た。 97年キューバ革命報道のため潜入を企てたが乗込んだ船が難破,その経験は短編『オープン・ボート』 The Open Boat (97) に結実した。同年売春宿を経営していたコーラ・テーラーと結婚,ギリシア=トルコ戦争取材のためギリシアにおもむき,98年にはアメリカ=スペイン戦争報道のためキューバに再び従軍,その後はイギリスに定住したが,結核とマラリアのため 28歳で早世した。ほかに,中編『ジョージの母』 George's Mother (96) ,短編集『怪物ほか2編』 The Monster and Other Stories (99) ,詩集『黒い騎手』 The Black Riders (95) など。

クレーン
Crane, Walter

[生]1845.8.15. リバプール
[没]1915.3.14. サセックス,ホーシャム
イギリスの画家,図案家,著述家。肖像画家 T.クレーンの次男。 1859~62年木版画家 W.リントンのもとで修業。日本の浮世絵版画からも影響を受けた。絵画は寓意的なものが多く,ラファエル前派の影響が強い。 64年から挿絵をかきだし幼児本の挿絵画家としても名声を博し,また壁紙や布地の図案家としても活躍。

クレーン
crane

起重機。工場では一般にグレンともいわれる。人の力では動かすことのできないような重量物や物を移動させるため,適当な架構とウインチ機構とを組合せた装置。次のような種類がある。 (1) 天井クレーン トロリー式として代表的なもの。 (2) ジブクレーン 長い腕をもち,旋回できるクレーン。軌条上を走行するものと固定式のものとがある。 (3) 塔形クレーン 高いリフト距離と大きい半径をもつもの。 (4) 自走クレーン 自走台車上に回転式ジブクレーンを載せたもの。 (5) 浮きクレーン 幅の広い箱形の台船上に回転式あるいは固定式のジブクレーンを載せたもの。ほかに橋形クレーン,ケーブルクレーン,アンローダなどがある。

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デジタル大辞泉の解説

クレーン(crane)

《鶴の意》重量物をつり上げて、水平または垂直方向へ移動させる荷役機械起重機
[補説]天井クレーンジブクレーン橋形クレーンなどの固定式クレーンとトラッククレーンホイールクレーンクローラークレーン鉄道クレーン浮きクレーンなどの移動式クレーンがある。

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百科事典マイペディアの解説

クレーン

米国の詩人。早くから詩作を志し,《白い建物》(1926年)に次いで,《橋》(1930年)では,ブルックリン橋を象徴として壮大な叙事詩を構想,過去の英雄や伝説を扱って〈アメリカの神話〉を歌い上げた。

クレーン

米国の小説家。大学を転々としながら文筆にはげみ,自然主義の色濃い《街の女マギー》を1893年自費出版。次いで,南北戦争での若い兵士の精神変化を描く《赤い武功章》(1895年)で声価を得た。
→関連項目ハウエルズ

クレーン

起重機とも。荷役機械の一種。つり上げを主とする垂直方向と,水平方向(前後,左右または旋回)の三次元の運動を行って荷物を運搬する。しかし現在クレーンに含めているものの中には二次元,一次元の運動のものもある。
→関連項目建設機械コンテナー船荷役機械

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世界大百科事典 第2版の解説

クレーン【crane】

起重機ともいう。荷をつって垂直および水平方向に移動させる機械で,一般には三次元の作業範囲内の任意の位置に荷を移動させる機能を備えている。各種工場,港湾,倉庫,発電所,建設工事など,生産物流のほとんどあらゆる分野で,材料や製品,その他の重量物を立体的に移動させるという作業が必要であるから,その役割を担うクレーンの性能や稼働率は,生産や物流の能率に大きな影響を及ぼす。クレーンのつり荷の形態には,個体として取り扱う機械や鉄骨構造物(鉄構)やコンテナーのような荷と,ばらのまま取り扱う鉱石や石炭や穀類などのような荷(ばら物)とがあり,それぞれに適したつり具や機構が用いられる。

クレーン【Harold Hart Crane】

1899‐1932
アメリカの詩人。オハイオ州の富裕な商人の子に生まれ,17歳で学校をやめて,ランボーのように放浪した。いろいろな職業を遍歴したあげく,1920年以来ニューヨークに定住し,象徴詩やイマジズムの影響を受けた短詩集《白いビルディング》(1926)を出した。その数年前に出たエリオットの《荒地》の悲観主義にあきたらず,ホイットマンの楽天主義を受けついだアメリカの一大叙事詩を書こうとして,パトロンの支援をえてキューバに出かけ,一連の美しい象徴詩風の抒情詩を書き上げた。

クレーン【Stephen Crane】

1871‐1900
アメリカの小説家。ニュージャージー州にメソディスト派牧師の子として生まれた。大学を中退してニューヨークに出,新聞記事を書きながら創作に従事した。在学中に書き始めた《街の女マギー》は,ニューヨークの貧民街に住む少女の過酷な運命を描いたもので,アメリカ最初のすぐれた自然主義小説といわれるが,出版社が忌避し,1893年自費出版する(改訂版1896)。W.D.ハウエルズ,H.ガーランドに認められたもののほとんど売れず,生活は困窮した。

クレーン【Walter Crane】

1845‐1915
イギリスのデザイナー,挿絵画家,画家。肖像画家の子としてリバプールで生まれ,13歳で木版画家リントンW.J.Lintonの弟子となる。ラファエル前派,ことにバーン・ジョーンズや日本の版画の影響を受け,油絵の本格的な作品も描いたが,《トイ・ブックスToy Books》のシリーズ(1865‐1900),《ベビーズ・オペラBaby’s Opera》(1876)等で絵本画家として名声を確立した。一方,そのすぐれた装飾感覚はモリス,ミントンT.Minton,ウェッジウッドなど多くの工房のために行った壁紙,陶器,テキスタイルなどのデザインに発揮されている。

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大辞林 第三版の解説

クレーン【crane】

重量物を動力でつり上げ、上下・左右・前後に移動させる機械。起重機。

クレーン【Stephen Crane】

1871~1900) アメリカの小説家・詩人。自然主義的な写実から出発して、独自の印象主義的作品世界を切り開いた。代表作「赤い武功章」

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世界大百科事典内のクレーンの言及

【ツル(鶴)】より

…ツル目ツル科Gruidaeの鳥の総称。この科は4属15種からなり,ユーラシア大陸,アフリカ,オーストラリア,北アメリカに分布している。とくにアジアに分布する種が多い。熱帯や南半球のものは留鳥だが,北半球の高緯度地方で繁殖する種は,冬季南へ渡って越冬する。日本では,タンチョウ(イラスト)が北海道に留鳥としてすみ,マナヅル(イラスト),ナベヅル(イラスト),クロヅル,カナダヅル(イラスト),アネハヅル,ソデグロヅルの6種が冬鳥または迷鳥として渡来している。…

【アメリカ文学】より

… リアリズム全盛時代の文壇の大御所はW.D.ハウエルズである。彼は《アトランティック・マンスリー》誌の編集者などとしてトウェーンやH.ジェームズらの作品を世に送り出したばかりか,ノリス,S.クレーンなどの若い作家の育成にも努めた。ジェームズは,ヨーロッパに住むアメリカ人という国際的な状況と,ホーソーン的倫理観とを心理主義的に作品化することに優れ,《ある婦人の肖像》(1881)などを発表した。…

【ニューヨーク】より

… 世紀末にニューヨークの大都市化が進むと,大都市を描くリアリズム文学が現れてくる。ボストンから移ってきたW.D.ハウエルズ,マンハッタンの悪名高いスラム街バワリーを描いたS.クレーンなどである。とくにクレーンは,小説《街の女マギー》(1893)で,貧困と汚濁の世界というショッキングな題材をひっ下げ,お上品趣味の読書界の偽善と戦った。…

※「クレーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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