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クロマトグラフィー クロマトグラフィー chromatography

翻訳|chromatography

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロマトグラフィー
クロマトグラフィー
chromatography

適当に保持された固定相上を,溶質を含む移動相を通過させた場合,溶質の各成分は固定相への吸着や,2相間の分配係数の差によって相互分離が起り,固定相に各成分の吸着帯をつくって移動する。 1903年 M.ツウェットガラス管に充填した炭酸カルシウムカラム上に緑葉中の油溶性色素を吸着させ,さらに石油エーテルを流下させて,色素成分がいくつかの吸着帯として分離することを見出した。

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知恵蔵2015の解説

クロマトグラフィー

物質を分離し、分析するための方法。様々な計測法(各種分光法、質量分析法など)を用いることにより、色を持たない物質を検出でき、2つの相間(固定相と移動相)での物質の分配や吸着を利用する分離法はすべてクロマトグラフィーと呼ぶ。移動相が液体、気体のときにそれぞれ液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィー(GC)と呼ばれる。移動相として超臨界流体が用いられることもある。ろ紙を用いるペーパークロマトグラフィー、板状の固定相を用いる薄層クロマトグラフィー、ガラスやステンレスなどの筒内に充填された固定相を用いるカラムクロマトグラフィーなど、固定相の形状によって分類されることもある。GCでは1mm以下の内径を持つ細管が用いられることも多く、質量分析計と接続したGC質量分析法は複雑な成分を持つ試料の微量分析に有用。LCでは、分離性能を高めるためにμm(μ〈マイクロ〉は100万分の1)程度の微粒子を固定相とする高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が広く普及している。近年ではメソポーラス材料のモノリスも固定相として用いられている。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

クロマトグラフィー(chromatography)

吸着剤を用いて、試料混合物の分離・検出・定量などを行う方法。吸着剤を固定相とし、この一端に試料を置き、展開剤によって溶かし出すと、試料の成分によって移動速度に差が現れることを利用したもの。

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百科事典マイペディアの解説

クロマトグラフィー

成分の吸着性その他の違いを利用して,混合物試料から成分を分離・分析する方法の一つ。1906年ロシアのM.ツベットが植物色素の分離に初めて用いたので,この名があるという。
→関連項目定性分析定量分析毛管分析

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栄養・生化学辞典の解説

クロマトグラフィー

 物質の分離分析技法の一つ.親水性,電気的性質,吸着性などの物質の性質の違いを利用して物質を分離,分析する.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

クロマトグラフィー【chromatography】

化学物質を分離するための手法。蒸留,抽出などに比較し,格段に分離能力が高いため,複雑な組成の試料を扱うことができる。混合物の分離精製に使われることもあるが,検出器と組み合わせ主として分析目的に利用されている。今日,化学物質を扱う各分野で,なくてはならない手法として活躍している。
[歴史]
 クロマトグラフィー(色の記録の意)の名付親はロシアの植物学者ツベットMikhail Semenovich Tsvet(1872‐1919)である。

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大辞林 第三版の解説

クロマトグラフィー【chromatography】

混合物の分析法の一。固体または液体の固定相(吸着剤)中で、液体または気体の移動相(展開剤)に試料を加えて移動させ、試料混合物の各成分の吸着性や分配係数の差に基づく移動速度の差を利用してそれぞれを分離する方法。分離・精製・同定・定量に用いられる。 → ガス-クロマトグラフィー

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クロマトグラフィー
くろまとぐらふぃー
chromatography

異なる相の界面における化学種間の挙動の差、すなわち、吸着能、分配係数、揮発性、イオン交換能、分子サイズの差などを利用して混合物を分離、定量する操作法の一つ。クロマトグラフィーは後述するようにいろいろな形式のものがあるが、原理はすべて同じで、固定した吸着剤(固定相という)の一端に試料を導入し、溶媒あるいは気体をこれに連続的に流す(移動相という)。移動相は試料を含んでいる固定相からこれを溶かし出すが、溶質がここをゆっくりと通り抜けて、新しい固定相に触れると、ふたたび両相に対する物理的、化学的相互作用の程度により吸着あるいは分配される。固定相が固体の場合には吸着が、液体のそれでは分配によるものが相互作用のおもなものと考えられる。したがって、固定相と移動相との界面では物質の吸着や溶出が連続的に繰り返されていき、試料中に含まれている成分のうち吸着剤に親和性の強い成分ほど、溶出されて移動する割合が少なくなり、固定相の中にとどまる割合が大きくなる。つまり、親和性にわずかな差があれば固定相中の移動速度に相違ができ、混合物の分離が可能になる。混合物の分離には、沈殿、濾過(ろか)、蒸留、昇華、抽出、その他の物質の化学的、物理的性質の差を利用した方法が数多くあるが、クロマトグラフィーは簡単な操作を続けるだけで分離が可能な優れた方法である。利用範囲も化学、生物学、薬学、医学、農学、環境科学など、およそ物質を取り扱う諸科学の全分野に及んでいる。[高田健夫]

歴史

現在行われているクロマトグラフィーの創始者はロシアの植物学者ツウェットで、1906年に、緑の葉に含まれる色素を、粉末炭酸カルシウムを詰めたガラス管に石油エーテル溶液を流して分離したのが最初の実験とされている(現在の液‐固クロマトグラフィーの方法である)。彼はこの方法をクロマトグラフィーと命名した。語源は、ギリシア語の色を意味するchromaと、描くを意味するgraphosとにある。日本においてはクロマトグラフ法ともよばれる。その後1941年にイギリスのマーチンとシングが、ツウェットの方法と似てはいるが、分離の機構が異なるいわゆる分配クロマトグラフィーを、移動相が液体で固定相も液体である液‐液クロマトグラフィーの形で導入した。これ以後分離に関する定量的な取扱いが容易になり、クロマトグラフィーの理論的取扱いが可能になり、分離法としての基礎が確立した。両者はこれらの業績に対して1952年にノーベル化学賞を受賞している。その後、この方法は移動相が気体の場合についても広く適用されるようになり、ガスクロマトグラフィーとして今日の発展をみた。一方、液‐液クロマトグラフィーは優れた分離法ではあるが、液‐液間で拡散平衡に達するのにかなりの時間がかかるという本質的な問題から、分離分析法としては実用上の難点があった。しかし、高性能の固定相の開発、高圧送液ポンプの利用などにより、ガスクロマトグラフィーに匹敵できる分離効率・分離時間で分離分析が行えるようになり、いわゆる高速液体クロマトグラフィーとして発展してきている。[高田健夫]

分類

クロマトグラフィーにはいくつかの分類法が知られているが、一つは移動相と固定相との組合せによる分類で、実際には四つのクロマトグラフ系が実用化されており、このうち、移動相に気体を用いたクロマトグラフィー、すなわち気‐液、気‐固クロマトグラフィーをあわせてガスクロマトグラフィー(GC)とよび、移動相に液体を用いた液‐固、液‐液の両クロマトグラフィーを液体クロマトグラフィー(LC)と称している。また、ほかの分類法として、現象的にみると、固定相に液体を用いる場合は、主として固定相と移動相への物質の分配力の差によって分離がおこるので、これを分配クロマトグラフィーとよび、固定相が固体の場合は、物質の分離が主として吸着力の差によっておこるので、これを吸着クロマトグラフィーとよんでいる。さらに操作上の形式による分類で、管柱(カラム)を使う広義のカラムクロマトグラフィーと、層状のものを使う層クロマトグラフィーとに分けたりする。前者は、普通、ガラス製の管に固定相や担体(固定相となる液体を保持するのに用いる固体。各種ガスに対し化学的に不活性で、吸着能をもたず、表面積が大きいものが用いられる)を詰め、移動相をその一端より流入し、後者は、固定相または担体を薄い層にしてガラス板に塗布して行う薄層クロマトグラフィー(TLC)や、濾紙片を固定相とするペーパークロマトグラフィー(濾紙クロマトグラフィーともいう、PC)がそうであり、微量物質の取扱いに適している。一方、カラムクロマトグラフィーは比較的多量の物質を取り扱うのに適している。[高田健夫]

分離機構

固定相が固体の吸着クロマトグラフィーでは、固体表面に対する物質の吸着量は、温度、圧力(あるいは濃度)に依存する。また、物質の分離は、溶質すなわち分離すべき物質、固定相すなわち吸着剤、および移動相の三つの要素で決まる。したがって試料の溶質の性質によって、これに対応した固定相と移動相を選ぶことが重要となる。たとえば、極性の大きい溶質を分離するのには活性度の低い吸着剤を使い、移動相は、液体なら極性の大きい溶媒を使うと良好な分離ができる。吸着剤としては、吸着力の大きい活性炭、活性アルミナ、活性ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウムから、吸着力の弱いショ糖、デンプン、炭酸ナトリウムなど、多くのものが目的によって使い分けられている。移動相液体としては、極性の強いピリジン、水、メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)、アセトンから、極性の弱い石油エーテル、シクロヘキサン、四塩化炭素、ベンゼンその他多くの溶媒が利用されている。なお、移動相が気体のガスクロマトグラフィーでは、用いる気体をキャリヤーガスとよび、ヘリウム、窒素などのような不活性ガスがおもに使われる。吸着剤にイオン交換樹脂を用いる場合はとくにイオン交換クロマトグラフィーとよび、また固定相に不活性な多孔性充填(じゅうてん)剤を用い、この孔(あな)の中への試料成分の浸透性の難易によって、分子サイズの分離をする方法を、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲルクロマトグラフィー)とよんで区別している。この方法では、試料成分中の大きい分子は孔の中に入りにくいので、充填剤と充填剤の間を通って速く流出するが、小さい分子は孔の中に入ったり出たりしながら流出するので遅くなり、そのために両相が分離されることになる。この場合、移動相溶媒に水系溶媒を用いるのをゲル濾過クロマトグラフィー、有機系溶媒を用いるのをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)とよぶことがある。[高田健夫]

分配係数、担体

固定相が液体の分配クロマトグラフィーでは、液体に対する物質の分配は分配の法則が成立する。すなわち、混合しない2相間の溶質の濃度をc1c2とすると、この比c1/c2βは濃度によらず一定となる。これを分配係数という。固定相には充填剤に適当な液相をしみ込ませたものを使い、この液相と混ざり合わない溶媒を移動相として流すと、固定相と移動相との間に試料成分の分配がおこり、その分配係数の差によって成分の分離が行える。たとえば、固定相に溶解しやすい、したがって管中をゆっくり移動する成分は、溶解しにくい成分よりも分配係数は大きいことになる。一般に、固定相に極性のある液相を用いたときは、移動相には極性の弱い液体が利用される。また反対に、固定相に非極性の液相を用いたときには、移動相には極性液体を用いるが、この方法を逆相分配クロマトグラフィーとよんでいる。固定相は適当な固体担体に液体(液膜)をしみ込ませてつくる。たとえばクロマトグラフィーのなかでもっとも簡単で安価に実験できるペーパークロマトグラフィーでは、固定相を保持する担体は濾紙であり、濾紙の中に含まれている水が固定相となる。移動相は水と混合しない有機溶媒が用いられ、毛細管現象による浸透によって移動する。カラムクロマトグラフィーでは担体にシリカゲル、珪藻(けいそう)土、ガラス、合成樹脂粉末などが比較的よく用いられ、これに、水、ポリエチレングリコール、パラフィン、シリコーン油その他を、測定対象となる成分の性質によって使い分ける。[高田健夫]

検出、定量

分離されて出てきた成分の検出や定量には、さまざまな方法が利用されている。一般に、層クロマトグラフィーでは、発色剤を噴霧したり、紫外線を当てて蛍光を観察したり、分光器による光の吸収や反射などを測定したりするものが多い。液体クロマトグラフィーでは、分光光度計、示差屈折計、蛍光光度計が一般的で、質量分析計、赤外分光光度計、放射能検出器なども、それぞれ目的に応じて使用される。ガスクロマトグラフィーでは、気体の種類により、熱伝導の異なることを利用した熱伝導度検出器、キャリヤーガス中に存在する試料成分をイオン化し、そのイオン電流値から求める水素炎イオン化検出器、ある特定成分に対して異常に高い感度を示すいくつかのいわゆる選択的検出器などが利用されている。[高田健夫]

クロマトグラフィー操作の基本用語

クロマトグラフィーの操作に共通的な基本用語のいくつかについて述べる。
 移動相が固定相と接しつつ移動する過程を展開といい、移動相が液体なら、それを展開剤という。イオン交換クロマトグラフィーでは、この展開を溶離といい、使う溶媒を溶離液とよんでいる。展開によって得られる混合成分の分離結果を総称して、クロマトグラムという。[高田健夫]
『佐竹一夫著『共立全書12 クロマトグラフィー』(1955・共立出版) ▽森定雄・原昭二・花井俊彦著『クロマトグラフィー分離システム』(1981・丸善) ▽G・J・シュガー、J・A・ディーン著、二瓶好正・飯田芳男監訳『化学計測ハンドブック――前処理操作から最新機器まで』(1991・マグロウヒル出版) ▽津田孝雄著『クロマトグラフィー――分離のしくみと応用』第2版(1995・丸善) ▽ピーター・A・シューエル、ブライアン・クラーク著、中村洋監訳『廣川化学と生物実験ライン46 クロマトグラフィー分離法――基礎と演習』(2001・廣川書店) ▽岡田哲男他編『クロマトグラフィーによるイオン性化学種の分離分析 イオンクロマトグラフィーの基礎理論から実践まで』(2002・エヌ・ティー・エス)』

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